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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

年金基金 外貨の食い物に① 安倍政権時代に大転換

2023-04-07 07:12:14 | 医療・福祉・介護問題について
年金基金 外貨の食い物に① 安倍政権時代に大転換
岸田文雄内閣は、この4月から年金の「マクロ経済スライド」を発動し、支給を2年連続で実質削減します。物価が上がるなかで、高齢者・国民の生活悪化は必至です。
(日本共産党元衆院議員 佐々木憲昭)

年金基金は、国民が苦労して支払い、積み立ててきた貴重な共有財産です。すでに200兆円も積み上がっています。それを国民にまともに回さないばかりか、外国資本の“餌食”にしてきた許しがたい実態がありました。

丸ごと市場運用
株式投資など、年金積立金の「市場運用」を本格的に始めたのは、年金資金運用基金を設立した2001年4月からです(06年4月からはGPIF=年金積立金管理運用独立行政法人)。しかし、その運用方式は「丸ごと市場運用」ともいうべきものでした。
政府は、アメリカ、カナダ、オランダ、ノルウェー、スウェーデンでもやっていると説明してきましたが、実態はまったく違います。
米国の世界最大の年金基金(OASDI=老齢・遺族・障害年金)は、すべて非市場性の米国債で運用しており、株式で運用することを禁止しています。ですから、運用で赤字が出たことはありません。




他国は一部運用
米国カリフォルニアの州職員を対象とした年金基金(カルパース)の場合は、全国民を対象とした基礎的年金に上乗せする部分の運用だけです。オランダの公務員年金(ABP)も同様です。
ノルウェーの政府年金基金グローバルは、石油・ガス事業の収入を積み立てている基金で、もっぱら年金給付のために運用されているものではありません。
カナダの年金制度投資委員会(CPPIB)は、基礎的な年金に上乗せする部分のみの運用、スウェーデンの公的年金基金(AP基金)も基礎的な年金の給付水準に直接、影響を与えない運用が行われています。
日本のように、年金の積立金を、丸ごと市場運用している国は見当たりません。岸田内閣・自民党は、それに一言も触れようとしません。

年金基金“活用”
厚労省の「GPIFの運営のあり方に関する検討会報告」(10年12月)は、こう述べていました。「年金積立金の原資となる保険料は投資を目的として徴収されたものではなく、老後の給付に充てるために一時的に国が預かっているものである」。そのため、運用は慎重を期し国債を中心としていたのです。
ところが、第2次安倍晋三内閣になってから、株式市場での運用にシフトする大転換が行われました。
外国資本のJPモルガンのチーフエコノミストも参加させて「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」を13年6月に設置しました。その報告書(13年11月)には、アベノミクスの「3本の矢」の「取り組みの一環」として「いかに貢献しえるか」を考えるべきだと書き込みました。それは、年金積立金をアベノミクスに従わせる「宣言」でした。
「投資目的ではない」という考え方は、完全に吹き飛んでしまいました。(つづく)
(3回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2023年4月4日付掲載


年金基金は、国民が苦労して支払い、積み立ててきた貴重な共有財産です。すでに200兆円も積み上がっています。それを国民にまともに回さないばかりか、外国資本の“餌食”にしてきた許しがたい実態。
外国資本のJPモルガンのチーフエコノミストも参加させて「公的・準公的資金の運用・リスク管理等の高度化等に関する有識者会議」を13年6月に設置。その報告書(13年11月)には、アベノミクスの「3本の矢」の「取り組みの一環」として「いかに貢献しえるか」を考えるべき。

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