きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

暴力被害者を支援する女性たち ドイツ① コロナ禍DVが急増

2021-08-19 07:15:58 | 政治・社会問題について
暴力被害者を支援する女性たち ドイツ① コロナ禍DVが急増
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う都市封鎖措置で、DV被害の深刻化が懸念されるドイツ。暴力の根絶に向け、被害者に寄り添った支援に取り組む人々がいます。女性を守る現場を訪ねました。
(独シュベービッシュハル=桑野白馬)




「助けを求める電話が頻繁に鳴るようになった」。南西部バーデン・ビュルテンベルク州のDVシェルター「女性と子どものための家」で働くメヒトヒルド・アンドレスさん(56)が振り返ります。ロックダウン(都市封鎖)が緩和され始めた昨年5月ごろから保護依頼が急増しました。


メヒトヒルド・アンドレスさん=シュベービッシュハル(桑野白馬撮影)

打ち明ける「場」
昨年3月の最初のロックダウン直後は、助けを求める電話はピタリととまりました。生活必需品を扱う店以外の店舗は閉鎖され、同居の家族以外の接触を可能な限り避けることが求められたため「女性たちは未知の体験に戸惑い、どうしていいのか分からなかったのだと思う」と話します。
12歳で結婚させられ4人の子どもを連れてきた移民の女性や、暴力で体のあちこちにアザや裂傷を負いながらも、自分と子どもを守りたい一心で保護を求めてきた人もいました。「『家』は恐怖や絶望感を打ち明けられる場所であり、これからの生活を一緒に考えるのが、わたしたちの仕事だ」といいます。
NPO団体などが運営する「家」は、州内に42カ所、全国で約350カ所あります。DV被害者の保護活動は、2002年に発効した、あらゆる形態の暴力から人を保護する目的の「暴力からの保護法」に基づきます。「家族間や、プライベートな状況下でも暴力は犯罪だと規定した大切な法律だ」とアンドレスさん。



「家」の内部の様子(アンドレスさん提供)

運営費行政から
施設の運営費は、行政からの補助金と寄付金でまかないます。スタッフは、保護された女性が滞在日数分の失業保険の給付金を申請するのを手伝います。それとは別に、失業保険窓口から、女性の滞在日数分の費用を受け取ります。平均で約半年の滞在を経て、住居や仕事を見つけ、新しい生活を歩み始めるまで見届けます。
苦しみを紛らわせようと、アルコールや薬に依存してしまう人もいます。専門家や精神科医と連絡を取り合い、被害者に合わせた支援を提供します。「他団体や自治体、警察と情報共有し、支援内容を広く認知してもらう。それが必要に応じた素早い支援につながる」と話します。
アンドレスさんの「家」は6部屋、14人まで保護が可能です。女性支援担当3人、子どものケア担当者1人。保護要請の急増を受け、入所できる人数を増やす予定です。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年8月14日付掲載


「『家』は恐怖や絶望感を打ち明けられる場所であり、これからの生活を一緒に考えるのが、わたしたちの仕事だ」
施設の運営費は、行政からの補助金と寄付金でまかないます。スタッフは、保護された女性が滞在日数分の失業保険の給付金を申請するのを手伝います。それとは別に、失業保険窓口から、女性の滞在日数分の費用を受け取ります。平均で約半年の滞在を経て、住居や仕事を見つけ、新しい生活を歩み始めるまで見届けます。
DV被害からの緊急避難だけでなく、自立まで支援する取り組み。
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