きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

キーワードで見るコロナ禍の経済① 非労働人口&K字回復

2021-04-22 07:29:51 | 経済・産業・中小企業対策など
キーワードで見るコロナ禍の経済① 非労働人口&K字回復
新型コロナウイルスの感染拡大が深刻な状況になっています。日本経済を取り巻く状況をキーワードで振り返ります。(清水渡)

非労働力人口 雇用悪化が女性を直撃
非労働力人口とは15歳以上人口のうち、労働力人口を除いたものです。労働力人口は就業者と完全失業者を合わせたものです。つまり、非労働力人口とは仕事についておらず、求職もしていない人の数です。




総務省「労働力調査」で非労働力人口の増減を見ると、昨年4月に急増。前年同月より58万人も増えました。そのうち48万人が女性でした。女性の増減について年齢別に見ると、35~44歳と65歳以上で急増しました。一律休校が長引くもと子育て世帯の母親や祖母などが仕事をやめて保育にあたったとみられます。
コロナ禍に起因する解雇が増え続けています。厚生労働省によると、8日段階で昨年5月以降の累計で10万人を超えました。16日段階での解雇は10万1515人で、このうち非正規雇用は4万7529人と、正規雇用の4万2074人を上回ります(残りの1万1912人は厚労省が雇用形態を区別せず集計)。ただこの調査は厚労省が各地のハローワークなどを通じて把握したもので、氷山の一角とみられます。
「労働力調査」によると今年2月の雇用者数は5983万人と前年同月に比べ43万人の減少でした。減少は11カ月連続です。雇用形態別に見ると正規雇用が26万人増える一方、非正規雇用は107万人も減りました。とりわけ女性の非正規は89万人もの減少です。コロナ禍による雇用悪化は女性、非正規というもっとも弱い部分を直撃するのです。



職場へと向かう労働者たち=東京都内

K字回復 産業によって景況明暗
K字回復とは経済が落ち込みから回復する過程で、業績が上向く分野と、下落する分野が生まれることです。ちょうど「K」の字のように業績や景況が右肩上がりになる分野と、右肩下がりになる分野が鮮明になります。




3月の日銀短観では大企業製造業の景況判断DIが前回の昨年12月に比べ15ポイント上昇してプラス圏内に入り、5となりました。中国などの外需復調が追い風となり、自動車や鉄鋼などが大幅に改善したためです。
一方、宿泊・飲食サービスの大企業は15ポイント下げて、マイナス81です。コロナ禍による緊急事態宣言や外出自粛の影響をモロに受けた格好です。
非製造業、とりわけ対人サービスでの景況悪化は深刻です。日本フードサービス協会が発表した2月の「外食産業市場動向調査」によると、外食の売上高は前年同月比22・3%減。とりわけパブ・居酒屋では7割以上の減少です。東京商工リサーチのまとめでは新型コロナウイルス関連破綻は20日現在、累計1367件。業種別で最多は飲食店の235件でした。また宿泊業での破綻も77件ありました。飲食業や宿泊業の不振に引きずられて、飲食料品卸売業が61件、食品製造業も46件と目立ちます。
宮城県、大阪府、兵庫県に加え、東京都、京都府、沖縄県に「まん延防止等重点措置」が適用されたもとで、サービス業や関連産業の苦境はさらに続きます。持続化給付金の再支給を含めた業者支援策が強く求められています。
(つづく)(2回連載です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2021年4月21日付掲載


コロナ禍のもとで、非正規雇用、それも女性の雇用が悪化している。企業ごとの景気回復も宿泊・飲食サービスなどが低迷。
僕もそうですが、このような感染拡大のもとで泊りがけの旅行に行く気分にはなりません。
コメント
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