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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

フィリピンの地域外交 ドゥテルテ政権1年② 建設的アプローチが重要

2017-07-02 14:12:11 | 国際政治
フィリピンの地域外交 ドゥテルテ政権1年② 建設的アプローチが重要
マナロ外務次官語る


南シナ海問題での定期協議、地域の結束―。ドゥテルテ政権発足後、東南アジアの外交には変化が生まれつつあります。フィリピンのエンリケ・マナロ外務次官が6月、本紙の取材に応じ、発足1年の新政権の外交について語りました。
(マニラ=井上歩 写真も)

〔外交方針〕ドゥテルテ政権の外交政策自体は新しいものではなく、憲法通り自主独立の外交を実施しているだけです。ただし特定の国に焦点を当てるのではなく、わが国との関係を望むすべての国々と関係を築き、発展させようと努力しています。
前政権との違いは、一つは中国です。以前は南シナ海問題で非難しあい、関係が冷え、つい最近まで両国には対話がありませんでした。しかし、南シナ海問題は両国関係のすべてではない。紛争は存在しますが、関係改善により不一致点を話し合うことが可能になりました。
もう一例はロシアで、潜在力が高く、関係改善を試みました。米国、日本、東南アジア諸国連合(ASEAN)などの伝統的な友好国を含め、全方面で関係を改善しています。



ドゥテルテ政権の外交について語るマナロ外務次官

ドゥテルテ政権下の中比関係
ドゥテルテ大統領は昨年10月、中国・習近平国家主席と会談し、両国共同声明を発表。南シナ海に関する定期的な2国間協議開始で合意しました。両国は今年1月、外務省間の定期協議を3年半ぶりに再開し、5月には第1回南シナ海協議を開催し「率直な議論」をしたと発表しました。


緊張発生望まず
〔新しいアプローチ〕問題にばかり焦点を当てるのではなく、建設的に関与を続け、成果を求めつつ、同時に問題点を議論する。これが私たちが追求しているアプローチです。
真に最良の道は、自国の立場を犠牲にすることなく、しかし関与することです。軍事的対立に至るような緊張の発生はだれも望んでおらず、避けなければなりません。信頼を構築していき、願わくば将来、紛争自体に取り組めるようにしたい。
〔外交成果〕前進は生まれており、中国とは南シナ海問題の協議メカニズムが生まれ、ASEANも中国と南シナ海行動規範(COC)枠組み草案作成に進みました。COC(本体)の交渉に進む基盤を得たわけです。
南シナ海の緊張は多少和らぎました。これがどれだけ長続きするかも、議論し続けなければわかりません。これは簡単な問題ではありませんが、積極面を推し進め、それを基盤に不一致を議論するのが、唯一の道だと考えます。
〔仲裁判決〕(昨年7月の)仲裁判決は国際法の一部であり、ドゥテルテ大統領は適切な時期に(中国との協議で)必要ならば取り上げるといいました。中国と協議を重ねるなかで判決の一部に触れていくことはできますし、さまざまな発展があり得ます。

橋渡しを担って
〔ASEAN〕“対立よりも関与”は、ASEANのアプローチでもあります。連合内に緊張があった以前と違い、いまASEANはより結束し、問題や中国に対して、より統一したアプローチを持つようになりました。「ASEANの団結」を維持し、ASEANが地域で中心的役割を持ち続けるうえで重要な事でした。
ASEANは大国のようにふるまわず、この地域で大国同士が対立に至らないようにする重要な役割、橋渡しを担っています。
(おわり)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年7月1日付掲載


今まで通りの外交と言いながら、問題にばかり焦点を当てるのではなく、建設的に関与を続け、成果を求めつつ、同時に問題点を議論する。これが私たちが追求している新しいアプローチを追求。
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