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「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

糖尿病重症化 雇用などで差 民医連調査 最大4倍

2017-06-07 14:29:40 | 政治・社会問題について
糖尿病重症化 雇用などで差 民医連調査 最大4倍

「若年2型糖尿病(以下糖尿病)の患者の中に重症の合併症を伴う例が増えている」―。こうした診療現場の実感から出発し、全日本民医連が日本初の糖尿病(20~40歳)の研究に取り組んで5年。雇用状態や学歴などの社会経済的状態が低い人ほど網膜症、腎症の合併症が最大4倍にも増えることが分かりました。(西口友紀恵)

糖尿病による網膜症は中途失明の原因の2位、腎症は人工透析導入の原因の1位とされます。

40歳以下を調査
糖尿病と社会経済的状態との関連についての研究は欧米を中心に多くあり、社会経済的状況が低いほど糖尿病が増加することが明らかになっています。しかし、40歳以下の成人は調査の対象になっていませんでした。研究班責任者の莇(あざみ)也寸志医師(石川県・城北病院)は「若年成人の糖尿病は進行が早く、合併症が重篤化しやすい特徴があります。合併症を伴う若年成人患者の増加を指摘する声を受けて調査したところ、予想を超える実態が明らかになった」と話します。
調査は、民医連に加盟する96の病院・診療所に通院する外来患者672人(2012年3月末時点)を対象に解析しました。
社会経済的状況として、学歴、収入、医療保険の種類、雇用状態を調べました。その結果、網膜症、腎症ともに社会経済的状況が低い人ほど有病率が高くなっていました。
網膜症の場合、学歴では大卒と比較して中卒は1・91倍、生活保護を受けている人はそうでない人の2・19倍、正規労働に比べ非正規は1・72倍、無職で2・23倍でした。腎症でも同様の結果で、雇用状態では正規労働に比べ、無職は4・03倍にもなりました(グラフ)。
解析を担当した福岡県・千鳥橋病院の舟越光彦医師は「若年成人でも社会経済的状態が低い人ほど網膜症と腎症が増えることが明らかになった」と話します。



【若年2型糖尿病】
その多くが成人前に一定の肥満状態となり、成人後高度の肥満状態に達したあとに糖尿病の遺伝素因を背景として発病しています。1型糖尿病は、主に自己免疫で発病します。


社会的に解決を
WHO(世界保健機関)の専門委員会は、糖尿病合併症の対策として、個人を対象にするだけでなく高等教育を受ける環境の整備、人間らしい生活ができる収入の保証、安定した雇用の提供など社会で解決する必要があると提起しています。
舟越さんは、「重症化しやすい若年成人では、この提起がとりわけ重要だ」と強調します。
このほど論文が米科学誌『PLOSONE』に掲載されました。

「しんぶん赤旗」日刊紙 2017年6月6日付掲載


糖尿病の治療を放置すると、途中失明や人工透析につながる。
怖い怖い。まじめに治療しましょう。自覚症状がなくても治療の中断をしないように。
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