きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

軍事依存経済⑤ ロボットや電池も軍用

2015-08-28 14:06:18 | 平和・憲法・歴史問題について
軍事依存経済⑤ ロボットや電池も軍用

武器行政の「キーマン」といわれる防衛省の堀地徹・装備政策課長が、武器輸出ビジネスを育てる意気込みを語っています。
「わが国のメーカーは防衛省だけが顧客だった」ので、「自分たちの製品やサービス」が「市場でどの程度の価値があるのか把握していない」。だから「マーケットリサーチ(市場調査)がまずは必要だ。そのやる気を喚起する」(2015年5月23日「東洋経済オンライン」)。

■軍事化賛美
安倍晋三政権は軍需産業の育成に熱中し、新たな手を次つぎに打ってきました。
2014年、武器輸出を容認する「防衛装備移転三原則」(4月1日)を定めるとすぐに、「防衛生産・技術基盤戦略」(6月19日)を策定。①国内開発②国際共同開発③ライセンス国産(許可料を払い他国企業の技術で生産)―などを組み合わせて武器を取得し、「防衛力と積極的平和主義を支える基盤の強化を行う」という方針を打ち出しました。
海外で武力を行使する「積極的平和主義」に不可欠の「基盤」とみなして、安倍政権は軍需産業の育成に傾倒しているのです。
同戦略は、国際共同開発においても「技術を取り込むことで、国内の技術の向上が図れる」とし、あくまで日本の軍需産業の育成を重視する構えを強調しました。さらには、経済の軍事化を賛美する考えも表明しました。
「(防衛産業は)幅広い裾野産業を必要とし、その安定的な活動は国内雇用の受け皿となるほか、地域や国全体に対して経済効果を及ぼすことが期待される」「防衛関連事業で得られた成果等を民生技術に活用することを積極的に推進する」
安倍政権は14年12月、武器輸出を「円滑に」進めるための検討会を防衛省の下に設置。今年4月までに4回の会合を開き、至れり尽くせりの輸出促進措置を検討しています。▽各国の需要に関する情報収集と海外での展示を含む武器の宣伝▽武器の運用や教育に関する途上国支援▽途上国の武器購入資金を援助するための法的根拠や枠組みーなどです。
今年6月には軍需産業強化を目的に掲げる「防衛装備庁」の新設を盛り込んだ改定防衛省設置法を成立させました。賛成したのは自民、公明、維新など。海外との交渉の窓口になって武器の共同開発や輸出を推し進める部署(国際装備政策課)を設ける予定です。



戦時中に戦闘機製造に携わった動員学徒や女子挺身隊が身につけた「神風」鉢巻き=7月9日、愛知県豊山町の名古屋航空宇宙システム製作所史料室

■伝染する病
これらの制度的対応が実現する前から、武器の売り込みは活発化しています。当事者の堀地氏はいいます。
「米英仏豪の4力国とは(武器輸出に関する)政府間協定をすでに結んでいる。その他インドや東南アジアとは装備協力に関する可能性を探っている。その他多くの国々と接触している」(同前)
経済産業省の飯田陽一・航空機武器宇宙産業課長(当時)は、安倍首相の「地球儀を傭轍(ふかん)する外交」が果たした役割を強調しています。
「欧米だけではなくオーストラリア、ASEAN(東南アジア諸国連合)各国、インドなどとの間でかなり大きく議論が進んだ」。相手国から武器に関して「産業間の交流を推進したいというメッセージが出てまいります」(『月刊JADI』15年3月号)。
飯田氏によれば、「わが国の優れた民生技術(ロポット、蓄電池、材料等)への海外の関心の高まり」があり、「軍事用途での利用拡大の可能性」が広がっています。「従来よりも広い範囲」の産業が参入するので、「防衛産業を定義し直し」ていく必要があると提起しています。
従来は軍需産業とみなされなかった多くの日本の産業が国内外の軍需への依存度を高めていく、と見込んでいるのです。経済軍事化の病は「平和産業」の分野にまで急速に伝染する恐れがあります。(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月26日付掲載


堀池さんはすでに昨年(2014年)10月のNHKスペシャル(ドキュメント"武器輸出" 防衛装備移転の現場から)に出ていましたね。
武器だけでなく、ロボットや蓄電池などの民生分野まで軍事に転用さえれようとしています。
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