きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

コンビニ 便利さの陰に① 加盟店が犠牲になる

2015-08-01 12:47:32 | 経済・産業・中小企業対策など
コンビニ 便利さの陰に① 加盟店が犠牲になる

コンビニエンスストア(コンビニ)は全国で5万店を超えます。24時間、多彩な商品とサービスを備え、人々により身近な存在になっています。しかし、店主の手取りはわずかです。従業員にも十分な賃金が払えず、利益は本部に吸い上げられています。(川田博子)


兵庫県姫路市内の国道に面したファミリーマート。深夜2時、店内には店長の酒井孝典さん(54)1人だけです。から揚げを揚げるフライヤーの油を抜き、黙々と中を洗います。
酒井さんは11年前に脱サラして開店しました。夫妻で専業的に業務に従事すること、24時間、年中無休の営業をすることが契約の前提になっていました。酒井さんは、「収入を少しでも多くしたい」と人件費の節約のために従業員を減らし、その分、自分と妻が働きました。妻が日中、みずからが深夜の勤務に入りました。





店舗に商品を届ける配送車=埼玉県(画像の一部を処理しています)

時給換算で401円
2012年には、酒井さんが1カ月平均288時間、妻が同219時間働きました。夫妻が1年間に働いた時間は6084時間、年間所得額は243万8639円。時給換算するとわずか401円でした。
現在は酒井さんが週6日、深夜勤務の体制に入り、妻が経理等を担当しています。深夜勤務明け後には、発注業務や従業員の管理、新キャンペーンの販売促進の準備など店長としての業務が待っています。仮眠時間は3時間から4時間。まともな睡眠や食事を取れず家族とすれ違う毎日、“健康で文化的な生活”とは程遠い生活です。しかし、酒井さんの手取りは月30万円弱です。

本部への上納金
「従業員の数や勤務時間を減らし、店主や家族が働いても働いても、手取りは増えない。根本には、高額のロイヤルティー(加盟店からコンビニ本部への上納金)の問題がある」
コンビニはフランチャイズ(FC)の1業種です。
フランチャイズの仕組みは、事業を始めようとする事業者がフランチャイズ本部と契約を結び、加盟店となります。加盟店は、「独立した事業者」として必要な設備や家賃、雇用する従業員の賃金を負担。本部の商標使用、商品開発、経営指導などの提供を受け、その対価として、定められた率のロイヤルティーを本部に払います。
コンビニの開業を希望する人が本部と交わす契約書には、加盟店が契約を続ける限りロイヤルティーを本部に支払うことや「24時間、年中無休」営業をすることが書かれています。
2000年以降、加盟店店主が本部に対し、契約時にロイヤルティーについて十分説明されなかった、加盟店仕入れ明細を加盟店に開示する義務がある、見切り販売の妨害行為によって損害を被った―などと裁判を起こしました。
09年6月には、セブンーイレブン・ジャパンが加盟店の値引き販売を制限した行為が独占禁止法違反にあたるとして、公正取引委員会が、速やかに違反行為をやめさせるための「排除措置命令」を下し、同本部はこれを受け入れました。
加盟店店主でつくる「全国FC加盟店協会」の植田忠義事務局長は言います。「コンビニは成長・発展し続け、生活総合サービスとよばれる状態になっています。しかし、“個々の加盟店の犠牲のうえに成り立っている”仕組みは、何ら変わっていません」
(つづく)(7回連載の予定です)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年7月30日付掲載


時給換算で賃金が低いっていうのは聞いていましたが、401円というのはひどいですね。
問題は、異常な長時間労働をしないとやっていけないこと。省エネの今日、24時間営業を見直すことも必要なのかもね。
コメント
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