きんちゃんのぷらっとドライブ&写真撮影

「しんぶん赤旗」の記事を中心に、政治・経済・労働問題などを個人的に発信。
日本共産党兵庫県委員会で働いています。

コンビニの便利さの陰に④ 増え続ける店主負担

2015-08-06 18:17:33 | 経済・産業・中小企業対策など
コンビニの便利さの陰に④ 増え続ける店主負担

本部へ支払わなければならない高率の上納金・ロイヤルティーのため、多くのコンビニ加盟店店主は低収入に苦しんでいます。
コンビニサービスが多様化して労働が過密になっているにもかかわらず、従業員の賃金や福利厚生を充実できない店主の実情があります。

人手のとり合い
庄司正俊さん(63)は仙台市若林区内で32年間、セブン-イレブンの店舗を経営してきたベテランオーナー(店主)です。
従業員は正社員1人のほか主婦や学生11人。365日24時間営業をするために必要な人数・20人に足りません。庄司さんがオーナーの仕事以外に週3日ほど従業員の勤務体制に入るとともに正社員がフルタイムで働くなどし、なんとか店をまわしています。これまで求人誌やインターネットでアルバイト募集の広告を出してきましたが、見つかりません。
「各社が大量出店する下、市街地はコンビニだらけだ。人手のとり合いが起きている。コンビニサービスが多様化して業務量が増え、『時給の割に忙しい』と敬遠する人も多い」
従業員の日中の時給は宮城県の最低賃金710円を少し上回る750円です。「業務がきつく無理をお願いしている中、時給を上げたい」思いはありますが、ままなりません。さらに、庄司さんが頭を悩ませるのが、社会保険料の負担です。日本年金機構から社会保険加入の働きかけが強まる中、5月から庄司さん夫妻と正社員従業員が社会保険に加入。保険料の負担が月約19万円増えました。
「30年間で、従業員の時給は約1・7倍に。さらに、光熱費の高騰に社会保険と、オーナーの負担は増えるばかり。一方、本部へのロイヤルティーは椙変わらず高率だ。とてもやっていけない」―庄司さんは悲鳴をあげます。



コンビニで買い物をする人=東京都内

「支援策が必要」
関西のファミリーマートの店主、佐々木英二さん(仮名、56歳)も人手不足に悩みます。ファミリーマート本部の集中出店戦略によって、自分の店の半径約500層の圏内にファミリーマートの店舗が6店、他本部のコンビニが5店あります。
どうしても夜勤の従業員が見つからず、53歳の男性を採用しました。しかし、宅配便や贈り物の受け付け、レジでのさまざまなカードによる支払いなど多様化、複雑化するサービスを覚えきれず、すぐに辞めてしまいました。人材派遣会社を利用し、なんとか窮地を脱しましたが、日中の時給が1700円、夜勤の時給が2000円と、アルバイトの時給840円と比べて高額な負担となりました。
「全国FC加盟店協会」の植田忠義事務局長は「人手不足打開のためには、コンビニ各本部の出店計画の下方修正とオーナーの意思にそっての24時間営業の見直しが必要です。本部から人手不足の加盟店への社員の無償派遣、ロイヤルティー見直しによる人件費上昇分などの加盟店への利益還元も求められています」と話します。
社会保険未加入間題についても、「法律通りに加入すれば、ほとんどの加盟店は赤字になってしまう。加入しなければ従業員から“ブラック企業”と見なされます」と問題点を指摘。「加盟店が安心して従業員の待遇改善に取り組めるよう、社会保険料の負担軽減のための支援策が必要です」とのべます。
(つづく)

「しんぶん赤旗」日刊紙 2015年8月5日付掲載


コンビニは人材不足。それに社会保険料の負担が重しに…。コンビニと言っても本部は大企業ですが、それぞれの店舗は個人経営の零細企業。社会保険料の公的援助は切実な問題ですね。
コメント
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