仮 定 さ れ た 有 機 交 流 電 燈

歴史・文化・環境をめぐる学術的話題から、映画やゲームについての無節操な評論まで、心象スケッチを連ねてゆきます。

ストレスが多い

2011-03-19 11:47:24 | 生きる犬韜
東北学院大学に勤める仙台の知人から、ようやく16日(水)、無事である旨の連絡が入った。実は彼の肝入りで、5月に仙台で環境史の講演をすることになっていたのだが、延期はもちろん中止もやむをえない状態だろう。東北学院は4月下旬まで休校ということだが、学生たちが通常どおり勉強できる日が、できるだけ早く来ることを願ってやまない。

18日(金)は、突如、震災対応の学科長会議が開かれるというので、久しぶりに出勤した。三鷹までは中央線も総武線もある程度動いているので、ラッシュや極端な本数減の時間帯を外せば、あまり混雑に巻き込まれることもなく四ッ谷まで来られる。上智では、半ば自宅待機もやむなしという扱いだった職員にも、17日(木)頃に全員登学命令が下ったようで、ようやく日常への復帰へ動き出した印象である。しかし、構内は安全確認が充分できないということで学外者の立ち入りを制限しており、結局卒業式も中止になってしまった。ふだんは面倒な式典だが、4年生の気持ちになってみれば中止は残念である。彼らには、いつか埋め合わせをせねばなるまい。
ところで式典といえば、研究室の方へ、4月以降に開催される各種式典への出席依頼が届いていた。「役付き」になるとはこういうことなのか…!と、少々ストレスが増した。今後は、嫌いなネクタイを締める日が多くなりそうである。

命に関わる苦痛を経験されている東北、北関東の方々の比ではないが、しかしこの無意識に蓄積されるストレスは厄介だ。ほとんど暖房を使用していないので身体的にキツいということもあるが(とくに夜間)、集中力が極端に弱まり疲れやすくもなっている。山積した仕事が進まないので、焦りや苛立ちも増す一方である。阪神淡路大震災の折にはトラウマの問題が大きく浮上し、以降大事件や大事故が起きると心理的ケアの対策が必ず取られるようになったが、社会全体に蔓延するこの不安感を払拭する術を探してゆかねばならないだろう。各所で聞かれた「想定外」「想像以上の」という言葉も、自然環境と人間との関係を考察している立場からすれば極めて重要な意味を持つ。国内外における様々な言説生産・発信の分析も、これらの事象との関連において注視しておかねばなるまい(義姉が、今回の災害に関する海外報道の重要記事を翻訳紹介する活動に関わっている。関心のある方はこちら)。自分のやるべきことを探しながら、気力を高めてゆくしかない。

※ 写真は、日光東照宮への参道前にかかる神橋。橋の朱塗りと、雪解け水の清冽な青とのコントラストが美しかった。
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