く~にゃん雑記帳

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<ひいらぎゆき> 『龍の如し』富山新聞社公募の「富山ホビー展」で銀賞!

2016年09月06日 | 美術

【金沢在住の若手イラストレーター、9月21日から個展「和の世界展」】

 3年余り前の2013年春、けいはんな記念公園(京都府精華町)内のギャラリーで、若手イラストレーター・デザイナーの個展が開かれた。「ひいらぎゆき展」。初の個展ということで、作品を見るのはもちろん初めてだったが、その繊細な表現と独特なタッチが目を引き、このブログでも当時紹介した(同年4月3日付)。そのひいらぎさんの作品『龍の如し』がこのほど富山新聞社復刊70周年記念の「富山ホビー展」で銀賞を受賞した。

 ひいらぎさんは石川県金沢市出身・在住。金沢デザイン専門学校を卒業後「イラスト工房Hiiragi」を立ち上げ、有名漫画家のアシスタントなどを務めながら研鑚を積んできた。現在は北国新聞、富山新聞の文化センターなどで漫画イラスト教室の講師を務める。同時にタオルや衣装デザインなども手掛け、造形作家とのコラボ活動にも意欲的。最近では今年3月、神戸市東灘区の「酒心館」でミニ個展を開いた。この間「日本ペンクラブ」に入会するとともに「京都地名研究会」や「京都知恵の会」に加入するなど人の輪を広げてきた。

 今回の受賞作『龍の如し』はB3サイズで、コピック(カラーマーカー)や色鉛筆、パステルなどの画材を使って描いた。龍がにらむイケメンの男性は戦国武将をイメージしたとか。画面の左右には滝登りに挑む鯉を配置した。全面を覆う激しい波しぶきの音が今にも聞こえてくるかのようだ。龍と戦国武将。一見妙な取り合わせだが、ひいらぎさんはこう説明する。「龍は天に昇るもの。武将は一国一城の主を目指し、やがて天下を狙う。魚は出世魚。つまり全ては『天』『上』を目指しているわけです。縁起の良いイラストと思っていただければうれしいですね」。中国の故事では滝を登ることができた鯉は龍になる。そういえば、武将の涼やかな表情の中にも龍や鯉に負けない強い意志がみなぎっているようにも見える。

 ひいらぎさんはいま9月21~26日に地元金沢市で開く個展「ひいらぎゆき 和の世界展」の開催に向け、その準備や作品の仕上げに余念がないそうだ。今回は受賞作をはじめ日本のおとぎ話をモチーフにした作品や名君前田利家公、加賀百万石をイメージしたイラストなども展示する予定という。開催場所は「ギャラリーセーブル」(金沢市大手町7-29)。美術、音楽、スポーツなどどんな分野にしろ、密かに着目してきた若手作家や選手が着実に実力を蓄え期待通りの活躍を見せてくれるとしたら、それに優る楽しみはない。


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