く~にゃん雑記帳

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<春日大社国宝殿> 秋季特別展「金工の美」

2021年10月27日 | 美術

【絢爛豪華な国宝の甲冑など35点】

 春日大社は平安~鎌倉時代を中心に貴族、武家から多くの宝物が寄進された。それらの中には国宝や重要文化財に指定されたものも多く、国宝だけでも約350点に上る。開催中の秋季特別展「金工の美―王朝の優美な装飾から豪華な鎧の金具まで」では国宝中の国宝「赤糸威(あかいとおどし)大鎧」2点をはじめ35点を展示中(一部前後期で展示替え)。国宝の甲冑類がそろって展示されるのは久しぶりだが、改めて往時の高度な彫金技術や美的感覚を堪能させてくれる。

 会場を入ると、正面左側に「赤糸威大鎧」のうち「竹虎雀飾」、右側に「梅鶯飾」。前者は左右の大袖に背の高い竹と虎の彫金細工を配し、鎧には全体に小さな雀100羽近くがちりばめられている。威糸(おどしいと)の赤い色が実に鮮やか。社伝では源義経の寄進とされるが、その制作様式などから鎌倉後期の作と推定されている。後者は梅の枝に蝶やウグイスが止まり、鎧の裏側には蓑虫やアブ、クモなども。全体を覆う威糸は紅花染めだが、退色して黄色く見える。

 前期と後期(10/19~12/13)での展示替えは国宝の4点。前期の「黒韋威矢筈札(くろかわおどしやはずざね)胴丸」(南北朝時代)と「籠手(ごて)」(鎌倉時代)に代わって、現在は「黒葦威胴丸」(室町時代)と若宮御料古神宝類の「平胡籙(ひらやなぐい)」(平安時代)を展示している。胡籙は矢を納めて携帯する用具で、蝶や千鳥を黒漆の上にきらびやかな螺鈿で表す。同じ若宮御料古神宝類の国宝「銅造狛犬」「銀鶴」などは通期で展示中。ほかに重文の古神宝銅鏡類や御本殿御簾(みす、1995年製作、金具は江戸時代)なども並ぶ。


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