く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<赤花ソバ> 景観作物として人気の「高嶺ルビー」

2018年11月03日 | 花の四季

【ヒマラヤの山麓原産、日本の気候に合わせ品種改良】

 ソバはタデ科ソバ属の1年草。原産地は中国南部の雲南省などの山岳地帯とされ、日本には古く朝鮮半島を経由して渡来した。『続日本紀』には元正天皇の養老6年(722年)に稲の凶作に備えてソバや小麦を植えるよう詔(みことのり)を出したことが記されている。ソバの花といえばほとんどが白だが、最近は各地の農山村で赤花を目にすることも増えてきた。日本の赤花ソバは標高約4000mのヒマラヤの麓で栽培されていたものを、産学が連携して日本の気候風土に合うように品種改良を重ねた末に開発された。

 共同開発したのは信州大学名誉教授だった故氏原暉男氏(1934~2013)と長野県宮田村に本社を置く上場会社のタカノ。赤花のソバは「高嶺(たかね)ルビー」の品種名で登録されている。花が赤いのは富士山より高く強烈な紫外線が降り注ぐ厳しい環境の中で、アントシアニンという赤色のポリフェノールを蓄えて身を守るため。草丈は40~50cmと白花のソバに比べると低く、開花も遅い。食用にされることもあるが、収量は白花の3分の1ほどにとどまる。このため観賞用の〝景観作物〟として休耕田などで栽培し、地域起こしや観光客の誘致に活用されることが多い。

 学名は「Fagopyrum esculentum ‘Takane‐ruby’(ファゴピルム・エスクレンツム・高嶺ルビー)」。属名の語源はラテン語の「ブナ」と「小麦・穀物」の合成語。ソバの実が三稜形のブナの実によく似ることによる。種小名エスクレンツムは「食用にされる」の意。2011年には花の赤色がより濃い「高嶺ルビー2011」が誕生した。赤ソバの栽培で有名なのが信州伊那高原(長野県箕輪町)の「赤そばの里」。今秋も遊歩道を整備した約4ヘクタールのソバ畑を開園し、地元公民館では「赤そばまつり」も開かれた。


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