く~にゃん雑記帳

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<五輪女子マラソン> 5日午後7時~ 重友の若さ・木崎の粘り・尾崎の経験に期待!

2012年08月03日 | スポーツ

【タイム上位10人中にケニアとエチオピアが各3人】

 ロンドン五輪の女子マラソンが日本時間の5日午後7時、バッキンガム宮殿前をスタートする。日本は2000年シドニー五輪で高橋尚子、04年アテネで野口みずきと2大会連続優勝を果たしたが、前回の08年北京ではメダルどころか入賞もゼロと惨敗。それだけに重友梨佐(24)、木崎良子(27)、尾崎好美(31)の3人に期待がかかる。だが、その前にケニア、エチオピアのアフリカ勢を中心に実績と経験で勝る海外勢が立ちはだかる。3人とも五輪初出場だが、粘りの走りでその一角を突き崩し、メダル争いに絡む力走を期待したい。

【優勝候補最右翼のラドクリフ、足のけがで欠場!】

 先月29日、優勝候補と目されていた英国代表のポーラ・ラドクリフが、足の負傷のため欠場するというビッグニュースが飛び込んできた。ラドクリフは2時間15分25秒という圧倒的な世界最高記録を持つ。機関車のような力強い走りで優勝を重ねてきたが、なぜか五輪だけはメダルに縁がなかった。04年アテネでは野口に抜かれて途中棄権、08年北京ではなんと23位に終わった。母国開催の五輪での雪辱を期していただけに、本人も辛い決断だったに違いない。

 女子マラソン・エントリー選手のベスト記録上位10人は以下の通り。

①L.・ショブコワ(ロシア)2:18:20②M・ケイタニー(ケニア)2:18:37③T・ゲラナ(エチオピア)2:18:58④I・ミキテンコ(ドイツ)2:19:19⑤A・メルギア(エチオピア)2:19:31⑥E・キプラガト(ケニア)2:19:50⑦周春秀(中国)2:19:51⑧M・ディババ(エチオピア)2:19:52⑨P・ジェプトゥー(ケニア)2:20:14⑩C・ディタ(ルーマニア)2:21:30

 ベスト記録では上位8人までが2時間20分を切っている。国別に見ると、アフリカ勢のケニアとエチオピアが3人ずつ。残る4人はロシア、ドイツ、中国、ルーマニア。日本勢は重友(2:23:23)が17位、尾崎(2:23:30)が18位、木崎(2:26:32)が40位になっており、重友、尾崎でも上位選手とは実に5分前後という大きな差がある。

 ベストトップのショブコワは1977年生まれの35歳。もともとの専門は中距離でアテネ、北京は5000mで出場している。マラソンは3年前にデビューしたばかりだが、シカゴマラソンを3連覇するなど実績は十分。しかも走るたびに記録を伸ばしており、昨年のシカゴはラドクリフに次ぐ世界歴代2位の記録で優勝した。2010/11ワールド・マラソン・メジャーズの総合優勝者で、ロンドンでも優勝候補の筆頭に挙げられている。

【ケニア勢、昨年のテグ世界選手権と今春のロンドンで表彰台独占】

 ケニア勢は今年4月のロンドンマラソンで金銀銅を独占した。その3人がそのまま五輪代表に選ばれた。ケイタニーはロンドンを2連覇し、今年のタイム2時間18分37秒は世界歴代3位の好記録。ロンドン2位だったキプラガトは昨年8月の韓国・テグ世界選手権の覇者。ケニア勢はそのテグ大会でも表彰台を独占、ジェプトゥーはキプラガトに次いで2位だった。一方、エチオピアのゲラナのタイム2時間18分57位は今年4月のロッテルダムマラソンで記録したもので、世界歴代5位に当たる。メルギアは1月のドバイマラソンで優勝、2連覇を達成した。その記録も世界歴代8位。

 アフリカ勢がこの1~2年、自己ベスト記録を次々に更新しているのに対し、それ以外の上位選手の記録の多くはかなり以前のもの。4位のミキテンコはカザフスタン生まれのドイツ選手で、ベストタイムは4年前のベルリンで出したもの。中国の周春秀は08年北京五輪の銅メダリストだが、ベスト記録は6年前に遡る。ただアジア大会では06年ドーハに続き10年広州大会も制するなど、なお健在だ。

 ルーマニアのディタは前回北京五輪の金メダリスト。出場選手の中でさほど注目されていなかったこともあって、中盤に抜け出しても誰も追わず、そのままゴールテープを切った。今年42歳で、ベスト記録は7年も前のもの。11位以下の海外勢では北京五輪6位入賞の英国マーラ・ヤマウチが注目を集めそう。自己ベスト2時間23分12秒はエントリー選手中16位で、この記録は英国女子マラソンの歴代2位。ラドクリフが欠場するだけに、英国民の期待を一身に集めそうだ。本人も母国開催の五輪だけに期するものがあるに違いない。

【五輪初の周回コース、カーブ多く位置取りがポイント】

 ロンドンのマラソンコースは毎春開催のロンドンマラソンとは異なり、バッキンガム宮殿前からテムズ川に沿って東進し、セントポール大聖堂、ロンドン塔などロンドン中心街の名所を巡る。これを3周するもので、周回コースは五輪では初めて。五輪では他のマラソンと違ってペースメーカーがつかず、賞金も出ない。これがアフリカ勢など出場選手のモチベーションにどう影響するか。

 五輪では記録よりも順位を重視する傾向が強い。女子マラソンの五輪最高記録は高橋尚子が2000年シドニーで出した2時間23分14秒。その後の04年アテネと08年北京の優勝タイムはいずれも2時間26分台にとどまっている。しかもロンドンのコースは石畳やカーブ(約100カ所)が多いため、序盤から中盤にかけては高速レースにならないのではないかとの見方も出ている。その場合、日本勢3人はベスト記録では上位選手に遠く及ばないものの、勝機は十分ありそうだ。ケニア勢が金銀銅を独占した昨年のテグ世界選手権では残り10キロで一気にスパート、他を引き離した。日本勢としてはそうした動きを見逃さないためにも、集団の前方に位置取りしたい。

【日本勢3人、メダル争いにどう絡む?】

 今年1月の大阪国際女子マラソン。重友は27キロ手前で福士加代子を振り切って独走し、日本歴代9位の好タイムで優勝した。最後の2.195キロも7分50秒と8分を切る速さで、駅伝で培った持久力とスピードがものをいった。ロンドンでも海外勢が駆け引きでスローペースが続く場合、その間隙を縫って抜け出しロングスパートをかけてみるのも一手かもしれない。重友は米アルバカーキの高地合宿では調子がいまひとつで、練習メニューを完全にはこなせなかったという。その点が少し気がかりだが、若さとマラソン3回目という怖いもの知らずの走りに期待したい。

 木崎の本領は粘りの走り。昨年11月の横浜国際女子マラソンでは尾崎との競り合いを制し、逆転優勝した。終盤の粘りを五輪の本番でも発揮して、先行する選手を1人1人拾っていきたい。日本勢3人の中で最も期待がかかるのはマラソン8回中、優勝2回、2位3回と、経験・実績とも豊富な尾崎だろう。2009年ベルリン世界選手権では2位に入り、3位のエチオピア・メルギアには7秒差で競り勝っている。日本代表の3人目として選出されるまでに、何度も選考会に出場する〝追試〟に疑問を投げかける向きもあったが、五輪本番で日本のエースとしての力走をぜひ見せてほしいものだ。


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