く~にゃん雑記帳

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<奈良県立美術館> 企画展「赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器…悠久の美と技」

2018年02月08日 | 美術

【奈良の伝統工芸一堂に 「これまで」と「現代」を比較展示】

 奈良県立美術館で伝統工芸企画展「赤膚焼・奈良一刀彫・奈良漆器…悠久の美と技」が始まった。古都奈良の地で脈々と受け継がれてきた伝統工芸のうち、代表的な赤膚焼、奈良一刀彫、奈良漆器の3つに焦点を当てて、近世・近代の作家が残した珠玉の作品とともに現代作家の力作を展示し、匠の技と魅力を紹介する。3月25日まで。

       

 会場に入ると、まず各分野の代表作が1つずつ並ぶ。赤膚焼は江戸時代後期の名工奥田木白の乳白色の地に素朴な奈良絵が描かれた「大和絵酒瓶」。木白は赤膚焼中興の祖といわれる。一刀彫は森川杜園の「生玉伏白鹿」。春日大社に奉納した高さ19.1cmの白鹿像で、奈良市指定文化財になっている。漆器は栗原徳蔵の「鳳凰金銀蒔絵箱」。蓋に翼を大きく広げた鳳凰の装飾が施されている。(写真は案内ちらし=部分。上の作品は森川杜園の「一刀彫 融」、下は奥田木白の㊧「大和絵酒瓶」、㊨「蝉飾付唐茄子形花器」)

 赤膚焼は桃山時代に大和郡山城主の豊臣秀長が常滑から陶工を呼び寄せて茶器を焼かせたのが始まりといわれる。様々な釉薬や焼き方があり「特徴がない」のが特徴ともいわれるそうだ。赤膚焼の名を高めた奥田木白や明治~昭和時代の名匠の作品に加え、今に伝統を引き継ぐ6つの窯元の作品も多く展示している。木白作「蝉飾付唐茄子形花器」のアブラゼミの繊細な表現にはつい見入ってしまった。

 奈良一刀彫は奈良人形とも呼ばれ、力強い素朴な彫りと鮮やかな彩色が特徴。会場では「神事人形から伝統工芸へ」のタイトルで、奈良人形の名声を高めた岡野松壽や森川杜園、杜園の流れをくむ作家たちなどの作品群を、3つの展示室で紹介している。杜園の作品の中にはにこやかな表情が実に印象的な「福の神」や亀に龍が巻きついた「玄亀」なども。一刀彫の題材には能楽や舞楽、雛人形、鹿、十二支などが多いが、近年は新しい題材に挑戦する若手作家も増えてきた。平井和希の作品「猫」もその一つ。奈良漆器では正倉院宝物を忠実に再現した北村久斎の「螺鈿玉帯箱」や、久斎の孫で人間国宝の北村昭斎の「木槿之図螺鈿箱」などが並ぶ。


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