【常緑のつる植物、東アジア~オーストラリアに分布】
日本の九州南部~沖縄から台湾、中国南部、オーストラリアなどにかけて分布するつる性常緑多年草。和名はサクラの花を小さくしたような淡いピンク色の花と、ランのような厚くて光沢のある葉からの命名。ただキョウチクトウ科(またはガガイモ科)サクララン属に分類され、サクラの仲間でもランの仲間でもない。
花期は6~9月。葉の脇から下垂する散形花序にかわいい小花をたくさん半球状につける。花冠は径1.5cmほどで先が5つに裂け、中心部には星型の副花冠がある。つるが長さ1m以上になると花が咲くようになるといわれ、翌年以降、毎年同じ所に花がつく。沖縄や奄美地方などでは方言名でツバキランやチバチラン、カミサシバナ、チーチークヮーサーなどとも呼ばれている。
学名は「Hoya carnosa(ホヤ・カルノーサ) R.Br.」。属名は英国の園芸家で熱帯植物の生育に生涯を捧げたトーマス・ホイ(Thomas Hoy、1750~1822)の名前に因む。種小名カルノーサは「肉質の」の意。「R.Br.」は学名の命名者が英国の植物学者ロバート・ブラウン(1773~1858)であることを表す。彼は花粉の破裂後に飛び出す微粒子が不規則に動く〝ブラウン運動〟の発見者として知られる。世界最大の花ラフレシアの学名の名付け親でもある。
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