く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<ゲンノショウコ(現の証拠)> 西日本に多い赤花、東日本には白花!

2015年09月15日 | 花の四季

【日本の3大民間薬の1つ、「タチマチグサ」「ミコシグサ」とも】

 フウロソウ(風露草)科フウロソウ属(ゲラニウム属)の多年草。日本、朝鮮半島、台湾に分布する。古くから下痢止めの薬草として広く用いられ、煎じて飲むとたちどころに効果が現われるということから「現の証拠」といわれるようになった。ドクダミ(生薬名=十薬・重薬)、センブリ(当薬)とともに〝日本の3大民間薬〟といわれる。

 日本各地の山野や道端に自生する。花期は夏から秋にかけて。花は径1cm前後の愛らしい5弁花で、花びらに赤い筋模様が入る。西日本には紅色やピンクなど赤系統の花が多いのに対し東日本には白花が多く自生する。かつて薬効が東では赤花の方が高いと信じられ、西では逆に白花の方が高いと信じられて、それぞれ採り尽くされたことによるともいわれる。

 薬用となるのは根以外の葉・茎・花。乾燥させて煎じて服用するほか、皮膚の湿疹やかぶれに塗ったり、入浴剤として風呂に入れたりする。主な薬効成分はタンニンで、消化管粘膜を保護して下痢・軟便を軽減する。この成分は開花期直前に含有率が最も高くなるという。ゲンノショウコは国が定めた薬の規格基準書「日本薬局方」にも掲載されており、その効き目は公的にお墨付き。古くから胃腸の妙薬として有名な奈良・吉野の「陀羅尼助(だらにすけ)」にも主要成分としてゲンノショウコの粉末が調合されている。

 その優れた薬効からゲンノショウコに付けられた呼び名は実に様々。「タチマチグサ」「テキメンソウ」「イシャイラズ」「イシャコロシ」「センニンタスケ」……。フウロソウ属の植物は同様に整腸の薬草として用いることができるという。ゲンノショウコは花後に実が裂開し種を弾き飛ばす。その反り返った形を神輿の屋根に見立てて「ミコシグサ」という別名もある。「しじみ蝶とまりてげんのしょうこかな」(森澄雄)。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <奈良少年刑務所> 「第25... | トップ | <五條市「藤岡家住宅」> ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿