く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<サクランボ(桜桃)> 葉が出る前に白い5弁花

2021年03月10日 | 花の四季

【自家不結実性。1本だけで結実の新品種も】

 バラ科サクラ属の落葉果樹。桜桃(おうとう)は食用となる果実を付けるサクラ類の果実の総称で、大別すると東アジア系とヨーロッパ系、アメリカ系の三つに分かれる。ただ国内で栽培され店頭に並ぶものは「セイヨウミザクラ(西洋実桜)」または「カンカオウトウ(甘果桜桃)」と呼ばれるヨーロッパ系が中心。主産地は東北や北海道だが、中でも山形県が全国の収穫量の80%近くを占め、まさに「サクランボ王国」として不動の地位を築いている。(写真㊤はサクランボの代表品種「佐藤錦」、㊦は主に観賞用の中国実桜「暖地」)

 サクランボという言葉はサクラの子「桜の坊」が「桜ん坊」に転訛したもの。国内で最も多く栽培されている「佐藤錦」はヨーロッパで栽培が盛んな「ナポレオン」に「黄玉」を交配して大正時代に生まれた。栽培の歴史は既に100年を超える。主要品種の中で開花が最も早いのは米国生まれの早生種「高砂」。サクランボは山形を中心に品種改良が活発で「紅さやか」「紅秀峰」「紅ゆたか」など新品種も相次ぎ生まれている。だが生産量・知名度のいずれもなお「佐藤錦」が群を抜く。

 サクランボには自家不結実性という特性がある。このため1本だけ植えても実を結ばない品種が多く、近くに異なる品種を植える必要があった。ところが山形県園芸試験場(現園芸農業研究所)が自分の花粉だけで結実する新品種の育成に成功、2008年に「紅きらり」の名前で品種登録された。23年には実が500円玉よりも大きい新品種「やまがた紅王」の本格販売も始まる。山形県の「県の木」はもちろんサクランボ。1982年に県民投票で選ばれた。「佐藤錦」の生まれ故郷の東根市と「日本一さくらんぼの里」寒河江市もそれぞれ「市の花」「市の木」に指定している。「桜桃の花満面に茂吉歌碑」(皆川盤水)


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