【南アフリカ原産、晩秋から春まで咲き続ける〝大きな目〟】
地球上の植物全体の10%近い約2万4000種が、アフリカ大陸南端の南アフリカ原産といわれる。キク科ユリオプス属のユリオプスデージーもそのうちの一つで、日本には1970年代前半に米国経由で輸入されてきたという。花の少ない晩秋から翌年5月ごろまで咲き続けることで人気を集め、最近では鉢植えや庭植えのほか街路の植え込みなどでもよく見かけるようになった。
ユリオプス(Euryopus)はギリシャ語で「大きな目」を意味する。大きく目立つ花を付けることに由来するようだ。ユリオプス属には1年草から宿根草、常緑低木など約100種あり、そのうち「ユリオプス・ペクティナトゥス」が和名でユリオプスデージーと呼ばれている。半耐寒性の常緑低木で、株が大きくなると茎が木質化してくる。
ペクティナトゥスは「櫛の歯状」。葉は銀緑色でシロタエギクの葉に似て深い切り込みが入る。花は一重で径3~5cm。マーガレットにもツワブキにも黄花コスモスにも似る。園芸品種には八重咲きや葉に黄色の斑(ふ)が入ったものもある。繁殖力が強く、4~6月ごろ摘み取った新芽を使って挿し芽で増やす。
ユリオプスデージーの花言葉は「明るい愛」「円満な関係」「無邪気」など。花期が長いことからタテハチョウ科のアサギマダラなどの蜜源にもなっているという。アサギマダラは日本本土と南西諸島、台湾の間を1年のうちに往復する〝渡りのチョウ〟として知られる。同じユリオプス属の「ユリオプス・ヴァージネウス」は黄色い小花で〝ゴールデンクラッカー〟の名前で出回っている。
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