【福笑いで1年の厄を払い、幸多い新年を願って】
東大阪市の河内一之宮、枚岡神社で25日、注連縄掛(しめかけ)神事が執り行われた。新年を控え注連縄(しめなわ)を新しいものに張り替えて、その前で「アッハッハー」と高笑い。そのため「お笑い神事」の通称を持つ。この日も宮司の〝発声〟を合図に、数百人の参拝者が1年間の厄を払おうと20分間にわたって大笑い。普段森閑とした境内は地響きのような「アッハッハー」に包まれた。
枚岡神社の祭神は天児屋根命(アメノコヤネノミコト)など4柱。このお笑い神事はその命が天岩戸の前で祭りを行い祝詞を奏上したところ、天照大神が隠れていた岩戸が開かれたという故事に基づく。注連縄は岩戸に二度と入れないように縄で塞いだことが始まりともいわれる。この神事は古くから行われ東大阪市の無形民俗文化財にも指定されているが、一般の参拝者も参加するようになったのは3年前から。
この日は午前8時すぎから白装束の氏子ら十数人によって新しい注連縄づくりが始まり、9時半までに本殿に通じる参道の階段下に張り渡された。お笑い神事は10時に始まった。お祓いの後、宮司の「アッハッハー」の先導に続いて居並ぶ神職らが一斉に3回高笑い。ここまでは厳かに執り行われた。
それからしばらく間を置いて参道広場を埋め尽くした参拝客も参加。中東弘宮司の「いま生かされてうれしいなあ、ありがたいなあということに思いを馳せながら腹の底から笑いましょう」という挨拶の後、「アッハッハー」の大合唱が始まった。5分おきに太鼓の音が響く。お守りの「笑福守」を打ち振りながら高笑いする参拝者たち。少し上の方からこの様子を眺めると、なかなか壮観かつ異様な雰囲気だった。20分を告げる太鼓が響くと、「バンザイ」とともに拍手が沸き起こった。
この後、広場ではハーモニカの伴奏による日本唱歌の合唱や歌謡ショー、お笑いコンテストなどがにぎやかに繰り広げられた。特製の注連縄を買い求めたり、温かい「笑福甘酒」や「笑福汁」を味わったりする参拝客の姿も目立った。
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