く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<メジロ(目白)> その名は目の周りを縁取る白いアイリングから

2016年02月14日 | 小鳥たち

【好物は花の蜜や小さな昆虫。リンゴやミカンなども】

 スズメより少し小さい愛らしい留鳥で、日本をはじめ中国、台湾、フィリピンなどアジア東部の温帯域に生息する。目の周りの白い輪からメジロの漢字には「目白」「眼白」または「繍眼児」が当てられる。「繍眼児」は白い輪の羽毛の生え方がまるで刺繍を施したように見えることから。絵やイラストでは真ん丸い円で表現されることが多いが、よく見ると完全な円ではなく目の前部で円が切れていることが分かる。

 雌雄の体色はほぼ同じ。頭から背面にかけては黄緑色、胸と脇は赤褐色で腹は白い。メジロは一夫一妻で仲睦まじい。繁殖期の5~8月頃になると、雄と雌が巣作りから抱卵、ひなへの餌やりまで共同して行う。好物はクモやハチ、ガ、バッタなどの小さな昆虫、そしてウメ、サクラ、ツバキなどの花の蜜。甘党で熟したカキなど果実も大好物だ。リンゴ、ミカン、ハッサクなどを2つに切って庭の枝に刺しておくと頻繁に立ち寄ってくれる。

 繁殖後の秋~冬にはいくつもの番(つがい)が集まって10~30羽ぐらいの群れで行動し、木の枝に押し合うようにくっつきあって止まるという。そこから「目白押し」という言葉が生まれた。ペットショップなどの鳥小屋内はともかく、屋外でそんな光景を一度目にしたいのだが……。メジロは「チィー、チィー」と地鳴きし、繁殖期の雄のさえずりは〝聞きなし〟で「長兵衛、忠兵衛、長忠兵衛」と表現される。そのさえずりを競う「鳴き合わせ会」が古くから全国各地で開かれてきた。 

 一定の時間内に何回鳴くかを競うもので、好成績を上げたメジロの中には「横綱」や「大関」として数十万~数百万円で取引されたこともあったそうだ。ただメジロの捕獲は野鳥の中で唯一1世帯1羽の飼育を前提に認められていたが、2012年春から捕獲は原則的に禁止となった。その背景には野鳥保護のほか密猟の横行、暴力団の資金源封じなどがあるといわれる。2015年春には愛知県警が「鳴き合わせ会」のメンバーを家宅捜索、メジロを中心に約360羽を押収し20人余を鳥獣保護法違反(違法飼養など)で書類送検した。メジロは和歌山県、大分県の県の鳥。「目白籠吊せばしなふ冬木かな」(室生犀星)


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« <BOOK> 「語られた自... | トップ | <相撲発祥の地宣言まつり>... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿