く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<アワコガネギク(泡黄金菊)> 秋の終わりに咲く黄色い可憐な野菊

2014年11月22日 | 花の四季

【かつて群生していた京都・東山の名所から「キクタニギク」とも】

 キク科キク属の多年草。東北の太平洋側から関東、近畿、九州北部などにかけて分布する。10~11月頃、直径1.5cmほどの黄花を付ける。中心の筒状花だけでなく舌状花(花びら)も黄色。茎先に小さな花が多く集まって咲く様子を泡にたとえて、牧野富太郎博士が「泡黄金菊」と名付けたという。

 別名「キクタニギク(菊渓菊)」。このキクが群生し名所となっていた京都・東山の菊渓(高台寺北側)にちなむ。アワコガネギクはかつて各地に自生していたが、最近は生育環境の変化やシカによる食害などで減少している。環境省のレッドブックでは準絶滅危惧種、京都府も絶滅危惧種に指定している。このため京都市都市緑化協会はキクタニギク復活に向け栽培講習会や展示会に取り組んでいる。

 アワコガネギクは「アブラギク(油菊)」と呼ばれることもある。ただ、この名前は本来、西日本に多い同じ花色のシマカンギク(島寒菊)の別名とされる。牧野博士はシマカンギクが島地ではなく山地に多く自生することから、その名前は不適当としアブラギクを正式名にするよう提案した。アブラギクの名は花を油に浸したものを切り傷などに用いたことに由来する。シマカンギクの花は直径1.5~3cmほどで、アワコガネギクよりやや大きい。

 日本在来種の自生地が減少する中で、中国や韓国産のアワコガネギクが帰化し分布域を広げているという。1990年代に道路の法面緑化用として中国などから種子が大量に導入されたことによる。国立環境研究所の侵入生物データベースはその影響として在来種との競合や遺伝的撹乱が懸念されるとしている。


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