く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<伏見稲荷大社> 豊作を祈って神田で「田植祭」

2022年06月11日 | 祭り

【“御田舞”の中、菅笠姿の早乙女らが田植え】

 全国約3万社の稲荷神社の総本宮、伏見稲荷大社(京都市伏見区)で6月10日、神田に早苗を植えて豊作を祈る神事「田植祭」が営まれた。梅雨入り間近だが、この日の天候は幸い好天に。多くの見物客が早苗を植える茜襷(あかねだすき)に菅笠姿の早乙女たちの様子を見守った。順調に生育すれば10月25日の「抜穂祭(ぬきほさい)」で収穫される予定だ。

 田植祭はかなり古くから行われていたという記録もあるが、いつしか途絶えていた。それが復活したのは約90年前の1930年(昭和5年)。昭和天皇の即位記念事業の一つとして再開された。祭典は午後1時からの本殿での神事に続き、祭場を境内の一角にある神田に移して同2時から田植えが行われた。神田の広さは約330㎡。神田のお祓いに続いて、神職が田の安全と苗の順調な生育を祈って水口に斎串(いぐし)を立てた。

 この後、本殿から唐櫃(からびつ)で運び込まれた早苗が、早乙女ら一人ひとりに手渡された。この早苗は4月12日の「水口播種祭」で蒔かれた種籾から育てられたもの。田植えに奉仕するのは男性8人、女性6人の計14人。左右2手に分かれそれぞれ横1列になって一斉に田植えを始めた。神田を見下ろす場所には幾重にも見物の人々。しきりに携帯やカメラを向けてはシャッターを切っていた。

 まもなく神田を挟んで向かいの一段高い壇上で、4人の神楽女(かぐらめ)が優雅な「御田舞」を舞い始めた。身に着けているのは「汗衫(かざみ)」と呼ばれる平安朝の涼しげな装束。終始雅楽も奏され、その間、早乙女たちは黙々と苗を植え続けていた。田植祭は30分弱で全て終了した。この神田からは約150㎏(2俵半)の収穫が見込まれており、11月23日の新嘗祭で神前に供えられる。

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