く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<奥能登探訪㊥> 壮観!日本海になだれ込む幾何学模様の棚田

2017年09月13日 | 旅・想い出写真館

【輪島名物の朝市、名舟御陣乗太鼓、黒島伝建保存地区…】

 輪島市街地から車で国道249号を東進すると15分ほどで白米(しろよね)千枚田に着く。奥能登を代表する観光名所だ。「千枚田ポケットパーク」から眼下を望むと、黄金色に輝く階段状の棚田が青い日本海の波打ち際まで続いていた。全国棚田100選の一つで、国指定の名勝でもある。2011年にはこの千枚田を含む「能登の里山里海」が国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産に認定された。

 棚田は全部で1004枚あるという。山裾の急斜面の地形をそのまま生かしているため、水田は形も広さも様々。中には下の写真㊧のような小さな箇所もあった。これだけの棚田を地元の農家だけで耕作し管理していくのはなかなか容易ではない。そこで棚田オーナー制度を設けたり多くのボランティアの支援を受けたりしている。訪ねたのは刈り取り直前の絶好のタイミングで、棚田の上の方では既に一部刈り入れが始まっていた。10月8日~来年3月11日にはライトアップ「あぜのきらめき」と銘打ち、日没後、畦道に設置した約2万個のLED電球を自動点灯させるそうだ。

 

 輪島といえば朝市も有名。高山、呼子(佐賀県)とともに日本三大朝市ともいわれる。中心商店街の本町通り(約350m)に、多いときには200店を超える露店が並ぶ。開店時間は午前8時から正午まで。新鮮な鮮魚や野菜のほか手作りの草履や民芸品などを扱う店も多い。通りの一角には「炭火コーナー」があり、買ったばかりの魚貝類を早速自ら焼いて味わう観光客の姿も目立った。

 

 かつて輪島への公共交通機関はのと鉄道輪島線だったが、2001年に廃線となった。旧輪島駅の駅舎跡は「輪島ふらっと訪夢」としてバス・タクシーの交通ターミナルや交流施設、道の駅輪島として活用されている。プラットホームや線路の一部が保存されており、行き先案内では次が「シベリア」となっていた。朝市からこの駅舎跡に向かう途中、河井小学校の運動場脇にある桜の木の下の「日本海と太平洋をさくらでつなごう」と文字が目を引いた。もしかしたら桜の植樹に生涯を捧げたバスの車掌佐藤さんゆかりの桜では……。そばに寄って確かめるとやっぱりそうだった。「佐藤良二さん(岐阜県)から贈られたさくら(左右の二本)」「昭和49年十月二十九日植樹」と書かれていた。佐藤さんが植樹に努めたのは乗務していたバスの沿線、名古屋~金沢間とばかり思っていたが、奥能登の輪島まで足を運んでいたのだ。

 

 輪島近辺では御陣乗太鼓の発祥地名舟や重要伝統的建造物群保存地区の黒島地区(船主集落)、1枚岩の真ん中に直径2mほどの穴が開いた窓岩なども巡った。御陣乗太鼓の起こりは約440年前、攻め入ってきた越後の上杉謙信勢を、村人が樹の皮で作った仮面と海藻を被った異様な姿で太鼓を打ち鳴らし退散させたこと。以来「名舟大祭」では神輿渡御の先導役を務めている。黒島地区(下の写真㊨)は江戸時代、北前船の回船業で栄え、板張りの外壁や格子、黒い釉薬瓦などが往時の繁栄ぶりをしのばせる。能登半島地震で大きな被害を受けたが、地元住民が団結して町並み再生に取り組み、地震から2年後の2009年に伝建地区に選定された。

  

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