く~にゃん雑記帳

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<シマトネリコ(島梣)> 涼しげに風にそよぐ姿が人気の常緑樹

2017年07月08日 | 花の四季

【沖縄など南国に自生、円錐状に小さな白花を密に】

 モクセイ科トネリコ属の高木。沖縄、台湾、中国、フィリピンなど亜熱帯~熱帯地方に自生し、原産地では高さが10m以上にもなる。日本の分布域は沖縄本島をはじめ久米島、西表島、石垣島など。その名も「島」に自生する「トネリコの仲間」に由来する。枝葉が風にそよぐ涼しげな風情が人気を集め、庭や玄関そばのシンボルツリーとして植樹されることが多い。鉢植えの観葉植物としても親しまれている。

 葉の構成は奇数羽状複葉といって9~13枚ほどの小葉が左右対称に規則正しく並ぶ。5~7月頃、その葉や枝の付け根から円錐花序が伸び、小さな白花を密に付ける。花後には細長くて白い翼果が鈴なりに。シマトネリコの仲間にはトネリコやアオダモ(コバノトネリコ)、ヤマトアオダモ(オオトネリコ)、シオジ、ヤチダモなどがある。これらはいずれも落葉樹だが、シマトネリコだけは常緑(または半常緑)というのが大きな違い。シマトネリコも含めトネリコ属はいずれも雌雄異株で、材が緻密なうえ弾力に富むことから建築・器具材などに使われてきた(トネリコやアオダモはバッド用材としても知られる)。

 シマトネリコは日本特産のシオジに似ることから「タイワンシオジ(台湾塩地)」という別名もある。トネリコの語源には諸説。その1つに「トヌリキ(戸塗木)」転訛説。樹皮に寄生する虫が分泌する白蝋を、敷居などの溝に塗って滑りを良くしたことからというもの。「共練濃(ともねりこ)」転訛説は樹皮を煮て膠(にかわ)状にし墨を混ぜて練り濃くしたものを写経などに使ったことに由来するという説。枝を10回ねじってものの結束用に使ったという「十練り」説もある。

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