く~にゃん雑記帳

音楽やスポーツの感動、愉快なお話などを綴ります。旅や花の写真、お祭り、ピーターラビットの「く~にゃん物語」などもあるよ。

<京都府立植物園> 「西山喬・ゆらの二人展~植物を描く」

2016年02月04日 | 美術

【昨夏亡くなった洋画家の遺作など約100点】

 京都府立植物園(京都市左京区)の植物園会館で「西山喬・ゆらの二人展~植物を描く」が開かれている。西山喬さんは世界各地の街並みや植物画を得意とする洋画家だったが、昨年8月がんのために亡くなった。享年78。二人展では妻で水彩画家の由良さんの作品なども含め約100点を展示中。7日まで。

     

 西山さんは1937年大阪生まれ。大学で講師などを務める傍ら、新聞連載小説の挿絵を描いたり、画文集「パリ・朝霧の中から」「イタリアの屋根」などを出版してきた。京都や東京、大阪で開いた個展は110回を超える。植物スケッチのため京都府八幡市の自宅からしばしば府立植物園に通っていた縁もあって、2年前には植物園開園90周年記念企画として同じ場所で二人展を開いている。

 西山さんが大腸がんと診断されたのは2012年。亡くなる前の数カ月は抗がん剤を中止して花の絵に没頭していたという。今展では遺作となった画文集「山野草を語る 西山喬画文集(解説森和男)」の原画など71点を出品。最も大きな作品『蓮』は竹ペンを使って描いた1m×2mほどもある墨画。大きなハスの葉が画面いっぱいに広がる様は迫力があり植物の生命力にあふれる。その隣には味わい深い『枯れ蓮』。『月下のクロユリ』は数輪のクロユリが満月の中で咲く幻想的な作品。墨画の絶筆作『イチハツ』の画面右下には「2015-5-1」と書き込まれていた。

 由良さんの作品は18点。まさにボタニカルアートと呼ぶにふさわしい細密画だ。その中には『れぶんあつもりそう』『青いけし』『いちはつ』など西山さんの作品と同じ題材も含まれていた。ほかに西山さんが愛用した画材や京都精華大学で指導していた教え子の作品も展示されている。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする