CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】脳には妙なクセがある

2018-08-08 21:10:31 | 読書感想文とか読み物レビウー
脳には妙なクセがある  著:池谷 裕二

脳を研究している先生による、脳の不思議なお話を集めた
面白い読み物でありました
脳によって、人間、生物全般、いや、でもやっぱり人間のそれこれ
すべてがコントロールされているのか、
そもそも脳はなんだ、意思は意識はどこから出てくるのか
あれこれ考えるほど難しいことが
この脳に包含されていて、これを研究する喜びというか
面白さが、言葉のはしばしから伝わってくるようで
それでいて、とても不思議な脳の話も学べると
なかなかよい本なのであります

これまで、いくつか読んできた人間の行動に関する本や、
選択、判断、決定に関する本なんかの理由が
この脳を科学することで理解できるんだなと
ひとつ、今までの読書経験がいくつか繋がったような
楽しさがあったのでありますけども、
脳が錯覚するということや、
匂いと睡眠が記憶に対して物凄く強い因子となることなんか、
よく聞く話が、実際どのような実験や実証で
今、正しいとされているかがわかって
非常に面白いのでありました

流行でもないが、実験が進んでいる分野に催眠というものもあり、
これによって、擬似的に痴呆を招いたりできるんだそうで、
そこから逆算して、痴呆の原因を探るとか
実生活にも関わってくるようになってるというのも
面白いところでありました

人間が動こうと思った、数秒前には脳の中で初動が起きていると
これもまた、なんかの本で読んだなと思うところが
生々しく語られていまして、これによって
人間の意識の芽生えはどこからなのか
そもそも、意識という何かに至る前に起きているものはなんなのか
無意識が本質で、それがどう後付で
自身の理解に昇華されているかとかがまぁ面白い
こうしたいから、そうした
そんなことが、山ほど積み重なっている人生でありますけども
それらが、特に意識ではなく、脳なりからだなりが
なんとなく動いた結果に、後付で理由づけをしているような感じだそうで
これもまた、面白いのでありました

無意識を鍛えるでもないが、
様々な学習が無意識に行われているのだそうで、
そういう効率的な学習方法をうまいこと利用したら
自分ももう少し立派になれるんじゃないかしらと
淡い期待みたいなものを覚えたのだけども、
今更、何かということもないなと
夢もないことを考えたりして、
この夢がないというあたりがまた、脳の老化を示しているという内容の話に繋がって
なんとも、しょんぼりしながらも
面白いと読み進めたのでありましたとさ

さくさくっと読めるのに、脳科学の最先端知識が得られるというか
楽しく知ることができる、よい雑学の本として
自分は読めたと満足なのでありました