CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】アマゾンの料理人

2018-08-25 21:06:25 | 読書感想文とか読み物レビウー
アマゾンの料理人  著:太田 哲雄

料理人になろうと、あっちこっちで修行していたら
南米に吸い寄せられて、さらにはアマゾンに導かれて
その魅力に取り付かれた、ある種冒険野郎的な料理人の本でした

著者の反省を辿っていく話なのだけども、
料理という世界の面白さがわかりやすく伝わってきて、
一流の店での修行風景だとか、
それぞれの国の流儀だとか、そこの馴染むために、
また馴染めていないときにどんな酷い目にあったのかなど、
冒険旅行記に近い内容なのが面白いところ
イタリア、スペイン、ペルーと、
それぞれの土地で出会った人からスカウトされたり、
紹介されたりして、酷い目にもあうけども
その間が修行だったと振り返れるような
やわらかい描き方で、人生を振り返っているのがステキであります

南米からの移民料理人が、ヨーロッパの料理界で
大変な力となっている、下支えは彼らがしているかのような
物凄いタフさと、ガッツを見て唖然とする様なんかが
非常に興味深くて、日本人がちまちま細かく頑張るのとは
違う力強さというのがあって、ステキだと
著者が南米にひかれていくというのが面白い
その縁あって、アマゾンまで行き着くわけなんだが
なかなか、料理人という職業も大変であります

料理といえばマフィアという感じで
さらっとしか触れていなかったけども、
どうやら、いくつかの危なそうな人たちとも交流があった様子で
そのあたりは大変柔らかく書かれているので
どうだったのかよくわかりませんが、
日本でも料理人やろうとすると、こういう問題は
切っても切れないんだろうなと思わされたりしたのであります

前半のヨーロッパ、主にイタリアでの修行生活が
出てくるものもおいしそうだし、過酷だけども
いかにも料理修行という感じで面白いのだけども
後半にというか、だんだんと南米に惹かれていくようになってきてから
急に野生冒険物語に変貌していく

アマゾンの市場で、虫を食べたり、
水銀まみれのなまず食べたりとか、料理人というよりも
サバイバー的な何かじゃないのかと思うようなことになって
それが当たり前になってきているのが
この人の凄いところだなと感じるところ
さらには、カカオビジネスにも興味をもって取り組もうとして
このあたり、ビジネスには感じるところもあるようで
料理人と一口にいっても、ちゃんと商売を考える人でもあるというのが
ポイントであろうと思うのでありました
だからこそ、文章が面白いと思えるのかもしれない

ともあれ、アマゾンでの圧倒的な自然との付き合いというのが
これでもかと出てくるし、仕舞いにはガリンペイロまで出てきたりして
この人の本業はなんだったかしらとなるようなところまで
面白く読めた、料理人本という皮を被った
冒険本であったと思うのであります