CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。

2018-08-21 21:02:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
鳥類学者だからって、鳥が好きだと思うなよ。  著:川上 和人

題名の割りには、多分、凄い鳥好きなんだろうなと
思ったりしたんだが、まぁ、そういうことではない、
理系というか、学者というか、研究者というものが
研究室であれこれやっている人ばかりではない
フィールドワークがある分野は
こんなに広大で、途方もなくて、そして大変なんだと
まぁそれを明るく、とても楽しそうに描いていて
大変よい一冊でありました
ただ、これを読んで、多感な小学生男子が
学者になろうとか言い出すと大変なことになるかもしれないから
よく考えてからにしようねと
言いたくなるくらい、大変だけど、楽しそうな毎日が描かれていました

大人だからでもないが、
この年齢で読んでいて、その楽しそうな裏側というか
書いていない部分に、とんでもなく大変なことがあって
それが相当のことなんだろうなと
うっすらと気付きつつというか、端々から読み取れるように愚痴られていて
でも、それはそれとして、わかりやすい大変さ
サバイバル様相が、まぁ、これを楽しめているからOKと
思えなくもない、あるいは、思いたいというような
ある種悲鳴のような文章が綴られていて
読んでいて、かくあるべしと思わされたのでありました
自分も、どちらかというと
フィールド系の分野であったはずなのに
気付けば、そんなこともしなくなって
もちもちとデータと格闘しているとか
つまらんことになったな、データは外でとってきて
それでこそだろうになと
思わされたりしたのでありました

鳥に関することは、流石に素晴らしくというか
よく知らないことばかりで、細かな種類の違いだとか、
骨格から推定できることだとか
著者が発見してきた、あるいは、研究してきたことも
大変わかりやすく描かれていたし
カラスが吸血するとか、カタツムリが食べられても消化されないことを実験したり、
なんというか、こういうのが研究の醍醐味だなというところも
たくさんあって、やっぱり、少年に読んで欲しいような気分にも
なったのでありました

こんなすったもんだやってるけど、
凄い優秀なというか、とても凄い人なんだろうなと
思ったりもしたのである