梅雨だから仕方がないが、毎日雨が続く。
恵みの雨を通り越して、実害が出そうな状況かと恨めし顔。
ゲリラ豪雨で被害も出ている地域もあるので、
納得しなければいけないし、少し前までの水不足を嘆いていたことを思うと、
自然を受け入れていない自分がいるのかも知れない。
露地みかんは雨の中、摘果作業にいそしみ、
夏の亜鉛ふんだんの初恋リーフも遅ればせながら収穫が始まった。
温室みかんはもう少しで収穫かと言う段階。
毎日、雨粒の美しさを眼交いに置いて、映っている景色を楽しんで見る。
暑くなれば本格的に忙しくなる。
戦場に行くかのごとし。
先週は来客続きで、午後は毎日園地での説明と事務所でのお互いの距離をつめる時間。
百聞は一見にしかず、一様に驚くのが一般的な軌道から外れた栽培と考え方。
私たちの生業は過去においては、構成比から一般的な知識や考え方だったのが、
今や知る人ぞ知るベールに包まれた世界になっているかとも思う。
こういった時、不思議に感じたり疑問が浮かんだりする人は、
過去において自然に親しんだ経験が多いとすぐにわかる。
「ダンゴムシがいっぱいいるけど、どんな働きをしているんですか?」
こんな質問が来ると、作り手は楽しくて仕方がない。
お店でも女性のお客様は鉢の下のダンゴムシは気になるので、
少しでもダンゴムシの知識をもっておいたほうがいいと思っての質問である。
確かにこの梅雨時、活動は活発になり目立つようになる。
豊橋のファーブルとしては、ダンゴムシを殺す薬がホームセンターに
山のように売られていると少し寂しくなる。
どんな輪の中でも、一見無駄に見えるものであっても
必ず目に見えない役割があるのが自然界。
普段役割はなくても、その輪の一部が崩壊したときにだけ働く場合もある。
来園するお客様とのやりとりは、本当に面白い。