3月下旬なみの異常な暖かさのなか、早生みかんの剪定作業をパチパチとしている。みかんのオーナー園では昨年たわわになったみかんの木が、思ったほど疲れていない表情だ。何とか今シーズンも花が咲いてほしいと、小鳥のさえずりも聞こえないほど集中しての作業である。ふと足下のホトケノザに目がいく、紅紫色の花にミツバチが蜜を求めて飛び回っているではないか。昨年のみかん切りの時に、ヒヨが食べたみかんの汁をミツバチが吸っているのを目撃したので、ミツバチさんの就業時間は温暖化でどんどん増えているということになる。ただでさえ働きバチさんは忙しいのに、気の毒に思えてきた。
さて自然という株主に翻弄される農家の仕事はどうなるのだろう。今までの経験則で物事を進められない状況になっている事は、当園にも当てはまる。自然の一瞬の表情から、いろいろなことを教えてもらいながら、脱マニュアルで働きバチだけの世界に向かうことは少し寂しい気がしてきた。