薪ストーブアクセサリー暖炉メンテナンスヤフー店薪ストーブ情報バナー
goo blog サービス終了のお知らせ 

11月の北緯37度、東経140度のマグカップ

もう16~17年も前のことだが、標高1500mの山にテントを張り、延べ30日間寝泊りしながら仕事をしたことがある。

昨年9月にようやく開通した全長4300mの甲子トンネル関連の仕事だった。 弾性波テスト、要は地質調査に伴う測量なんだが、何せそこはこれからトンネル掘ろうと言う地形だからね、そらもう大変な現場な訳です。 獣道があるところを歩いている内ならまだ楽で、それが途中からは未踏の地で平均斜度は45度を超えてます(笑) なので車を降りてから現場にたどり着くまでが容易でない。 ましてや機材背負って抱えてひたすら登るものだから、2時間かかって現場にたどり着いた頃にはもういい加減くたびれちまってる訳です。

そこで結論は泊まり込むしかないだろうってことでキャンプですね。 尾根沿いのチョットした平地に設営するんだが、スタッフはボクを含めて3人。 で、各々それぞれに自分のテントを張って泊まるんだが、食事だけは一番大きなテントに集まり一緒に摂っていた。 飯盒で炊くのは夜だけのことが多かったかな。 朝は前夜の残り飯にお茶漬けとか何かレトルトをぶっ掛けて食べてた。 弁当作るような余裕と言うか、まぁ要するに面倒なんで昼飯抜きだったから、晩が実に待ち遠しくてね(笑)

毎晩ランタンの明りで飲む酒は何とも言えず美味いものだったよ。 演歌の世界じゃないが肴は炙った烏賊がお気に入りで、中でもすこぶる塩辛いやつが一番好きでね、ほら、焼いてると塩が吹くような烏賊あるでしょ! アレだね。 あとは鯖の水煮や焼鳥の缶詰、そして梅干と漬物の類だ。 酔っぱらってしまうと、あとはもう寝るしかない。 山での生活は動物たちと一緒なのだ。 夜明けと共に起きだして、陽が沈むと1日が終わる。

11月の北緯37度11分、東経139度58分、標高1500mでの生活はまるで下界の真冬だった。 テントが吹き飛ばされそうなくらいに谷を走る北風小僧が元気な夜は、チョットしたパニックにもなったりしたが、それも数日で慣れてしまった。 風も無く静かな夜に見上げた満天の星空は、今まで見たこともないとても幻想的な無限のスクリーンだった。 そして翌朝、ボクは言葉を失った。 朝陽に照らされてキラキラ輝く霧氷には形容の言葉が見つからない。 初めて見た霧氷はただただ美しくて感動した。 一生忘れないだろう。 ある日の朝、寒くて目覚めるとテントの屋根が鼻の頭にくっついていた。 驚いて外に出てみればそこはまさに銀世界、それは大量に積もった雪の重みのせいだったのだ。
もう12月だった。


昨日は穏やかな春の陽射しに誘われて中庭へ出てみた。 薪割台に腰掛けて、久々にステンレスのマグカップで珈琲を飲んでみると山での生活を思い出した。 あの時、珈琲も酒もこのマグカップで飲んでいたのだ。 振り返ればとても辛く厳しい仕事だった。 けれど、かけがえのないいくつもの感動をボクに与えてくれたのも確かだ。 今となってはすばらしい経験、想い出だね。 


いつも駄文にお付合いありがとーございます!
今日も人気ブログランキング 1クリックを何卒よろしゅうです。

薪ストーブ情報なら firewood.jp薪ストーブワールド

6時の気温 : 4℃


コメント ( 6 ) | Trackback (  )