kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

トレーニングに関する考え方

2016-06-27 | 陸上競技
前から同じようなことを書いていますが、また書きます。

先日から「ロープ登り」をやっています。女子はまともにやるのは初めてかもしれません。facebookに知人から書き込みがありましたが「筋力だけではない気がする」と。まさにこの部分だと思いますね。ロープを登るためには「握力」が必要になります。自分の身体を支えるだけの握力がなければロープをつかむことさえできません。

これまで指導してきた女子選手でインターハイに出場した選手でロープ登りが出来なかったのは1人だけ。この選手は身長も高く体重もある程度ありましたから「しがみつく」だけで精一杯でしたね。あの身体を引き上げるだけの筋力があれば本当すごいことになっていたと思います。

ロープ登り。不安定の中で行います。登り棒であればできるという選手もいます。が、ロープになるとできません。ここには「不安定」という大きな要素があると思っています。登り棒は基本的に安定しています。「うんてい」なども支柱がしっかりしていてぶれることがありません。だからやりやすい。しかし、ロープ登りは「不安定」の中でやることになります。かなり難しいのではないかと思っています。



棒高跳びの選手は「地面から足が離れた状態」で身体をコントロールしなければいけません。これは非常に難しい。足から力をもらうことができないので上手く身体を使いながらでないとできないのです。登るだけであればそれほど難しくないのかもしれませんが。単純に筋力ではない部分があると思いますね。

これまで見てきて案外消防士をやっている方が「競技力が上がっている」というのがあります。他者の命を守るために大切なことなので身体を鍛えているという部分があると思います。走練習などに長い時間を確保できない状況です。その中で競技力が上がっていくのは何か?前任校の近くに消防署がありました。ロープ登りをしたり、ロープ渡りなどをされている姿を見かけることが多かった。実はこういう部分が「競技力の向上」に役立つのではないかと感じたのです。

以前、スキージャンプの選手が「スラックライン」という綱渡りのような練習をしている映像を見ました。これも「不安定の中で身体を動かす」という部分だと思います。ロープのようなものの上をバランスを取りながら歩く。その上でジャンプしたりもしていました。着地時にロープの乗っているのは大変なことだと思います。また、BOSSが教員になってからの話を聞いたこともあります。スキーが大好きで冬はほぼ筋力トレーニングをしないでスキー三昧(笑)。で、シーズンに入ると自分の身体が上手くコントロールできるようになり自己記録を更新した、と。投擲種目でそのようなことがあるのか??が、実際にそれがあるのだと思います。

ハンマー投げで世界で活躍された室伏選手。「同じ練習にならないように」と様々な工夫をされていました。競技の後半はウエイトをしないでも自分の身体を上手く使えるようになっていくことで競技力を上げようとしていたと思います。確かに競技場面では「全く同じ」という状況は生まれません。先日、桐生選手が「10秒01」で走りました。本人としては高校3年生の時に出して以来の10秒01。3年前と同じ10秒01ですが「走り自体」は全く違うと思います。上手く身体を使いながらできる限り動きを再現する。が、実際は全く別のものになるという感覚でしょうか。

ケンブリッジ飛鳥選手が日本選手権で優勝しました。大きく飛躍したきっかけは「ジャマイカ」に単身練習に臨んだことだと報道されています。「なぜそんなに細いんだ?!」と言われてからトレーニングを本格的にやらないと勝負にならないと言われ、故障したのを機に今の所属先でトレーニングを始めたとのことでした。すべてを把握できているわけではありませんが、単純に「ウエイトトレーニング」だけをやっているわけではなさそうでした。様々な道具を使いながら自分の身体を上手くコントロールする動きをしていました。

こういう感じの内容を書くと「筋力は不要」と言っているかと勘違いされるかもしれません。が、実際問題ケンブリッジ選手は身体自体が大きくなっています。これまでと比べるとかなりの筋肉量があると思います。ほかの選手も同様。間違いなく「トレーニング」をしていると思います。が、そこだけではないというのが大きなポイントになるのではないかと。筋力が全くなくても中学生は走れます。が、それが高校でも通用するかといえば全くの別問題。その発達段階に応じてやるべきことがあるのです。「筋力がなくても走れる」という選手もいるかもしれませんがここのバランスは難しいと思いますね。

今、トレーニングをやっています。シャフト補強はかなりの負荷です。ある程度継続するとかなり筋力が上がると思っています。しかし、筋力を上げてもそれを上手く使えるようにならなければいけない。単純に筋肥大をしていけば強くなるわけではないと思うからです。筋力を上げながら上手く使えるようにする。バランスディスクを練習に導入したのもこのためです。感覚的なものなので正解かどうかはわかりませんが。



色々な動きをすることで強化した筋力を「使える」ようにすることができると思っています。バランス系の練習をすると細かい筋肉が強化できると思いますし。こう考えるとやりたいことは山のようにあります。時間が必要になる。自ずと練習時間が長くなります(笑)。ここ最近は時間の管理にも意識をしていますから優先順位をつけるようにしていますが。本当はもっともっとやりたい(笑)。が、全てをやるのは不可能。難しいところです。

鍛える。使えるようにする。不安定の中で力を発揮させる。これだけでも様々な工夫ができるようになります。陸上競技は身体を使いながら勝負することが大半です。だからこそここが大事になってくると思っています。そこをどうやっていくかを考えるのは非常に楽しいですね。

まとまりません。本当はもう少し書きたい。可能であればまた書きます。たぶん。

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