kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

冷静さ

2021-05-24 | 陸上競技

思うことを。

 

自分自身不足する部分があると思うので自戒を込めて書いておきます。

 

人はその場その場において「客観視」できなくなることがあります。指導をして初めて本気でインターハイを意識して取り組んだ冬季練習。この時は「気迫あふれる練習」ができていました。中学時代中国大会に進んだことのない選手たちが県でチャンピオンになって中国新人で戦う。マイルでのインターハイが見えてきました。この時の冬は本当に練習をしました。

 

必死になって練習に取り組む姿。これを見ていて「絶対にいける」という感じがありました。が、この時に我が師匠から「気負いすぎていないか」と電話のたびに言われていました。指導者が気負いすぎるとそれが選手に伝わる。それにより「やらなければいけない」という気持ちが強くなりすぎて失敗する、と。

 

当時は私自身まだ若かった。指摘されていることを理解しているつもりでも実際は自分自身んがその「空気の中」にいるので気づかない。練習もきちんとコントロールして実施している。大丈夫だ、と。実際、かなり力がついていました。400mのエースと同等で走る選手がほかに2人。3人が58秒台くらいで走るだろうなという感じでした。圧倒的に強い。そう感じていました。

 

が、支部大会の1週間前に400mH選手が一人軽くハムストリングを痛める。シードは持っているので無理する必要はありません。出場させない方向で考えていたのですが本人が「自分も絶対に走りたい」と懇願してきました。無理をさせる必要はない。分かっています。必死に練習をしてきたので出たいという気持ちもあったのでしょう。リレーは出なくていいから個人だけ無理せずに出ようかという感じになっていました。本人的には「みんなが走るから自分も走らないといけない」「私だけ記録が出なかったら・・」という不安や焦りがあったのだと思います。

 

レース自体は問題ありませんでしたがその後、かばっていたので足首を痛める。それが県総体や中国大会まで響きました。間違いなく63秒台で走る感じでしたが満足するレースができませんでした。結局、中国大会もレース中に肉離れをしてしまって走れない。それによりマイルも大幅に力が落ちる。結局7位となりマイルでのインターハイ出場は叶いませんでした。あの時、本人が「走りたい」と言ったことに対してきちんと納得できる形で話をして出すべきではなかった。その部分は悔やんでも悔やみきれません。レースが終わったとにその選手が「私のせいでインターハイに行けなかった」と泣き崩れていた姿は一生忘れることができないと思います。

 

この時、私自身がダメなんだと痛感しました。あれほど師匠に言われていたのに。自分自身が冷静さを欠いている。その状況で選手が冷静にレースができるはずがない。全ての失敗は私の責任でした。冬季の間から客観視できていたら。選手の「焦り」を感じ取ってきちんと話ができていたら。自分を責めました。

 

大学3年生の時のこと。2年生で中四国個人戦という大会で優勝。本当に自分の力で全日本インカレをつかむことができるのではないかと思っていました。冬は必死に練習しました。休むこともなくという感じだったと思いますシーズンに入っても「もっともっと追い込まなければいけない」という気持ちが強くありました。14歩にもチャレンジ。無理やりでもそこに結び付けたかったのでかなりの量をやりました。

 

結果、全く走れなくなる。情けない話です。「もっとやらなければいけない」と自分自身を鼓舞しながらやっていました。休んだら強くなれない。誰も止めてくれません。当時はキャプテンでしたし、競技力もチーム内ではトップでした。そんな選手が死に物狂いで練習をしていたら誰が止められるのか。本当はそこで客観視できる人間がいて「お前、やりすぎだよ」と止めてくれればいいのですが。大学生ですからそんなことはありません。1年間棒に振った感じでした。

 

同じような失敗をしています。学習されていないのかもしれません。しかし、今はそういう部分がなくなったと思っています。客観視することができるようになった。まだ「視野が狭い」といわれる可能性は高いですが。それでもある程度のことが俯瞰できるようになってきたのかなと感じています。少しは・・・。

 

これをどのように身につけるか。私自身がそうでしたが「周りがやらない」という環境では「自分は絶対にやる」という気持ちが強くなります。自分がやらないと「やっていない人と同じになる」という強迫観念が生まれます。本当はそこまでやる必要がないのに「必要以上にやってしまう」のです。ここも本当は誰かがコントロールできるといい。客観視できる人がいるかどうかは大きい。

 

また、「不安」から「もっとやらなければ」という部分が出てくる。「やらなければ強くなれない」という思い込み。普段からかなりやっているのに「もっともっとやらないと強くなれない」という気持ちが大きくなって止まらなくなる。誰にでもあることなのだと思います。

 

「やらない者」にやらせるのは簡単です。強制的にやらせれば「やりたくないのに」と思っていても無理やりやることになります。「自主性に任せる」という言葉がありますが、「自主性」に任せるとやらない者は本当にやりません。別にそこまで「やらない者」に対してエネルギーを使う必要性もないと思いますが。逆に「やっている者」を抑えるのは難しい。自分自身がそうだったように。

 

誰もが失敗をする。客観視するというのは本当に難しい。だからといって自分自身を責めても何も変わらない。今何をするのか。次に何をするのか。そこだけに目を向ければいい。「不安」に打ち勝つというのは難しい。それでも冷静になる必要がある。焦りは自分を見失う。熱くなりすぎると冷静さを失う。

 

焦らない。慌てない。地に足をつける。練習は正直。きちんとやればきちんと結果が出る。不安に立ち向かうのではなく、不安と一緒に自分がやるべきことを理解する。練習も大切。体を休めることも大切。表面的な話ではなく「本質的な話」だと思っている。

 

よく分からない文章になっていますが。今思う素直な気持ち。伝えたいメッセージもある。どこに向かって発信するのか。誰のためになるのか。分かりません。

 

思うがままに書きました。雑文になっていますかね・・・。


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