kanekoの陸上日記

毎日更新予定の陸上日記です。陸上競技の指導で感じたことやkanekoが考えていることなどをひたすら書きます。

中国合宿2日目午後

2023-03-30 | 陸上競技
練習のことを。

うちの選手が足が痛いというのでその治療などを昼休みにしていました。治療をしながら参加者から提出された「課題」「疑問」に対して個別にコメントを書く。なかなか時間がありません。3泊4日であればもう少し余裕がありますが、2泊3日です。3日目は午前中で終わりということになると時間の確保は困難。準備などもあなたのですが人が足りないなというのがありました。

今回は事前に「インターバルの歩数」を確認して「レース展開」を示してもらっていました。それに合わせて準備してしないといけない。ショートハードルのように「一律のハードルインターバルの設定」では上手く対応できません。それぞれの歩数に合わせたストライドを考えながらやる必要があるかなと考えていましたが。この日も練習終了は17時となっていました。迎えのバスの時間もあるので16時50分には終わっておかなければ行けません。ほとんど時間がない。その中で何をするか。とにかく学校ではできないであろう練習を中心にやる。

やりたい練習をやるためにはある適度な準備が必要になります。うちの学校でやるのであれば歩数が分かっているので事前に準備できます。今回はそれぞれがどのレースパターンで走るかを調べてからになるので準備の時間が足りません。うちの選手に手伝ってもらいましたが間に合わない。絶妙なタイミングでそばにいた県内のhsmt先生を確保して手伝ってもらうことに。ハードル練習会などでも手伝ってもらっていますからこちらのやりたいことを理解してくれています。

アップはマークアップ。ハードル基本とは離れますが身体が動くようにしていくだけです。選手がアップしている間に私はウォーキングメジャーでハードルの接地場所に目印をつけていくことに。1人でやるのはなかなか大変です。このマークの位置は今回の練習の肝なので絶対に間違えることはできません。事前に計算をしてハードルインターバルの距離を作っていました。

マークアップが終わりそうな時に距離設定が終了。ありがたいことにうちの選手がいてくれたので助かりました。話は少しそれますが、マークを他のコーチから借りる際に「こっそりもらって帰りますね〜」と言ったら「私物なので困ります」と(笑)。hsmt先生にも「先生の性格を知らない人に冗談を言ってもなかなか通じないですよ」と突っ込まれました。どこでも関係なく軽口を叩いていますからダメなんだと思いますね(笑)気をつけないといけません(笑)気をつけませんが。

各自でスパイクを履いて軽く走ってもらう。そこからは「マーク走」をやりました。これは17歩のストライドから18歩のストライドに切り替えるというものです。何気なく走っているのかもしれませんが、ここはかなり重要な部分です。17→18、18→19、19→20、17→19というパターンのストライドでマークを置きました。走っていてどれくらいのピッチアップしないといけないのかを感じ取ってもらうためです。

ショートハードルとヨンパの1番の違いは「歩数の切り替え」があるところです。走力がそれほどない選手であればショートハードルでも3→4の歩数の増加があります。しかし、中国大会で勝ち上がろうと思えばそのパターンでは到底無理です。15秒を切るのは不可能だと思います。通常のショートハードルは3歩。ヨンパはほとんどの選手が歩数の増加があります。そこに対してのアプローチというのはあまり実施されていません。勝負を大きく分ける要素なのにやらないのは何故なのか。多分そこまで細かく考えないからだと思います。走っていて対応する。が、ここが上手く乗り越えられないとタイムは伸びないと思います。ショートハードルを4歩で勝負することを考えるのと同じだと思いますね。

最初は何も指示をせずにマークを走るようにしました。当然ながら詰まってしまいます。ブレーキをかけながら走ることになる。これではスピードが落ちるので勿体無い。どうすればここを対応できるか。35mの間に1歩増えます。ハードル直前で無理やりストライドを小さくするのではなく18歩なら18歩を使ってトータルで調整するのです。ストライドコントロールができるかどうかは大きい。最後の数歩でピッチアップして対応するのではなく18歩で調整します。大きく減速してしまうとそこから記録が上がることはもうありません。データを集めたら分かる話です。落ちたら上がらない。落ち幅を最小限にするというのがヨンパで戦うためには必要だと考えています。

この練習をペアワークで見ながらやっていきました。歩数が増える時にスムーズにピッチアップできているか。ブレーキをかけていないか。意識的にピッチアップをすることでスピード低下を最小限に抑えることができているか。かなりの時間をかけました。自分自身で「ストライド」の違いを理解するためです。さらにストライドを小さくするだけではスピードは低下してしまいます。スピードが落ちないように「ストライド」が小さくなった分、「ピッチ」を上げて対応します。これはマニアックな話だと思いますが。必要不可欠な部分だと考えています。

この辺りのことは詳しく書きたい部分ではあります。興味を持つ人が少ないでしょうから時間がある時にまた書けたらと思います。いつの日か(笑)

歩数の切り替えのイメージを作ってから実際にハードルを跳びながらの切り替えを。ここはかなり自信がありました。多分他の人にはその価値が分かってもらえないと思います。15人の参加者がいましたがそれぞれに合わせてのハードル設置をしています。もちろん同じレースパターンの選手もいるので15人で毎回変えるというわけではないのですが。16→17、17→18→19、18→19、19→20→21のパターンです。これを実際の距離でやろうと思うと本数を消化できません。毎回250〜300mを走ることになるので2本くらいやったら終わってしまいます。その問題点を解消するために「それぞれのストライドに合ったハードルの距離設定」を行いました。17歩のストライドでの7歩ハードル、18のストライドでの8歩ハードル、19歩のストライドでの9歩ハードルです。

同じ7歩であっても17歩で走る選手と19歩で走る選手ではストライドが全く異なります。それなのに「7歩ハードル」を画一的にやることには意味がないと思っています。走力やストライドが違うのに同じ距離で練習をしてもある選手にとっては意味のある練習になりますが、他の選手にとっては意味のない練習になってしまいます。そこを解消するためにキャラ設定を変えてハードルを配置します。そこから逆足への切り替え、歩数の増加に対応した練習にします。ストライドを覚えるためにも必要ですし、ヨンパのスピードでの逆足練習としても効果的。更には歩数の増加に対するピッチアップの感覚も作れます。

最初は「届きません」とビビって跳べない感じがありました。練習のイメージがつかめなかったのもあると思います。この練習はうちの選手にとっては何度かやっているので問題なくできます。「届かない」というのは1台目までしっかりと入れないからです。うちの選手がお手本を示して「いける」というのが分かったらそれに続いてできるようになりました。逆足が使えない選手もこの練習の中で課題を見つけて少しずつできるようになっていきました。距離が150mくらいなのである程度の休憩時間を挟めば本数を重ねることができます。最大で6本くらい走ったのではないかなと思います。

時間が来て終わろうとしたら県外の選手が「もう一本行きたい」と申し出てきました。これは意味のあることだと思います。選手がやる中で「良い感覚」を掴んでくれたのではないかなと。だから時間がなくても「もう一本行きたい」という発言なつながったのではないか。意欲的に取り組んでくれたのは嬉しいですね。お陰様でこの日も16時50分くらいになって最後に集合することなく終わりましたが(笑)

かなり効果があったのではないかなと思っています。自画自賛かもしれませんが、流れがきちんと作れたのは大きい。こういう練習がヨンパの練習会としてできると本当に面白いと思います。うちの選手は16歩で5台目までチャレンジすることにしました。もう1人は4台目まで17歩そこから18歩で4台かなと。ここは3台目までの方がいいかもしれません。様子見でやっていきたいですね。

個人的にはかなり良い練習になったと思います。意見を聞いてみたいですがその機会もなく(笑)2日目は終わり。

長くなりました。記録しておきます。

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