酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(26年4月)

2014-05-04 13:33:26 | BOOK


読書三昧(26年4月)

新しく使いはじめた抗がん剤(イリノテカン)はお腹をこわすので、ゆっくり外出することがままならなくなった。それでも映画2本(「サンブンノイチ」「クローズEXPLODE」)・芝居1本(「酒と涙とジキルとハイド」)には出かけたのだから、われながらしぶとい。

4月に読んだ本
吉田修一『怒り』
原田マハ『翔ぶ少女』
芹沢央『悪いものが、来ませんように』
イプセン『幽霊』
芥川龍之介『枯野抄』
橋雅世句集『月光の街』

☆吉田修一『怒り』
上巻では八王子で起こった殺人事件で犯人と疑われる3人とその事件を追う1人の刑事の日常が描かれ、下巻で徐々に犯人がしぼられてゆく。とはいっても単なる犯人探しのミステリーではない。人をどうしたら信じられるか、信じるとはどういうことかなどがテーマとして根底に流れてをり、深みのある小説となっている。
ただそれぞれの生活が繰り返し描かれる上巻の部分は、多少冗長な感じはするが。

☆原田マハ『翔ぶ少女』
『楽園のカンヴァス』『ジヴェルニ―の食卓』など、美術を題材に魅力的な小説を書いた原田マハが、今度は神戸の震災を題材にした。震災で生き残った心療内科の医者「ゼロ先生」と、先生に震災の時助けられた三人の幼い子供達「逸騎・丹華・燦空」が一緒に明るく生き抜いていく心あたたまる物語。
幸せな気分になれるのだが、悲惨な震災をこんなに優しく描いていいのかと、ちょっと思ってしまうのは、ひねくれものの見方か。

☆橋雅世句集『月光の街』
梅ひらく波の中からなみがしら
蜻蛉の顔がかちりと回りけり


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