酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

中島みゆき『縁会2012~2013』

2012-11-27 21:32:36 | コンサート


中島みゆき『縁会2012~2013』

抗がん剤の副作用に悩まされて、書きそびれていたけれど、16日に中島みゆきの「縁会」行ってきました。芝居仕立ての「夜会」には行ったことありますが、コンサートは初めて。
東京国際フォーラムのホールA5000席が一杯になるのだから、すごい!

まず舞台のセット。工事現場を思わせる鉄骨の構造物の様々の高さに演奏者が一人一人いる。中央で歌う中島みゆきを見下ろす形なのだが、セット自体が芸術的で見ているだけで楽しい。

歌の合い間に、中島みゆき独特の面白いおしゃべりはいっぱいするけれど、歌に関する説明はほとんどしない。歌は歌だけで勝負の心意気が感じられて潔い。
被災地への思いをこめて歌った曲も、「今回是非歌いたい曲」と言っただけだったが、かえって胸にしみた。
迫力ある歌声と「時代」や「地上の星」など馴染みの曲もあって、病気に負けない元気をいっぱいもらった。

「縁会」の東京公演は、2013年1月16・18・19日にも。

『上海ローズ』

2012-11-11 23:51:43 | スポーツ


「上海ローズ」
劇団スーパー・エキセントリック・シアター 第50回記念本公演 サンシャイン劇場(池袋)

【演出】三宅裕司、【上演台本】野坂実、【出演】三宅裕司・小倉久寛・クォン・ヨンミン他


座長、三宅裕司の病気で、昨年の公演を中止した劇団スーパー・エキセントリック・シアターの2年ぶりの本公演。
ただ今回は劇場に行ったわけではなく、11月10日の「WOWOW」のLIVE中継を見たのである。

ヒット曲を生み出すという幻のレコード『上海ローズ』を何とか手に入れたいとする音楽業界の激しい争いを描く。その中心にいるのが、バンド仲間が抜けて今は二人で活動する売れないミュージシャン「マミー」と「トミー」(三宅裕司・小倉久寛)。ただ実態が今一つ把握できない二人ののどかな雰囲気が笑わせる。

LIVEとはいえテレビで2時間を超えるとやっぱりきつい。演劇はやっぱり劇場に足を運ばないと駄目かと思ったのが正直な感想。

座長の三宅裕司は、崩壊とも見える日本社会の現状への警鐘も織り込んだと言うのだが、テレビでは臨場感がないせいか、筋も笑いも物足りなく感じた。ただ逆にテレビで細かい部分まで見える、ダンス・歌・アクション・殺陣などは見ごたえがあった。

劇団スーパー・エキセントリック・シアターというと、もう昔の劇団というイメージ。33年も続いているとか。題は忘れたが、随分前にウエスタンものなどに、大笑いした記憶が懐かしい。

東京公演は11月18日(日)まで


『踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望』

2012-11-08 11:24:33 | 映画


織田裕二という俳優が特に好きなわけではないが、テレビの『東京ラブストーリー』から、映画の『卒業旅行 ニホンから来ました』『アマルフィ 女神の報酬』『踊る大捜査線』のシリーズなどなど織田裕二の作品は気分が爽快になり、後味が良いので好きだ。

家に閉じこもっていても気が晴れないので、思い切って出かけた映画がこれ。

映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」
監督/本広克行  脚本/君塚良一
出演/織田裕二 柳葉敏郎 深津絵里 ユースケ・サンタマリア 小栗旬 伊藤淳史 内田有紀 香取慎吾 小泉孝太郎他

 
国際環境エネルギーサミットの会場内で誘拐事件が発生、被害者は射殺体で発見される。使用の拳銃が警察の押収物から持ち出され、犯人が身内の可能性が高いとわかると、警察の上層部はなんとか隠蔽しようとして、被疑者を仕立てあげ事態の収束を図ろうとする。それに気付きはじめた現場の湾岸署の青島俊作(織田裕二)たちは・・・。

事件の隠ぺいを画策する警察の上層部と、真実を明らかにしようとする青島を中心とする現場の刑事たちのせめぎ合いが見どころ。正義感あふれる青島であるが、部下が間違って購入した大量のビールを自分の地位が危ないと隠ぺいしようとばたばたするのが笑わせる。

青島が広い東京を最初は自転車で、後は走りで、犯人の居場所を探すシーンには違和感を感じたが、同じありえないことでもラストで青島を心配し、同僚の恩田すみれ(深津絵里)がバスごと突っ込んでくるシーンは、突拍子もないところが逆に面白い。
いろいろ突っ込みどころはあるが、二時間ちょっと楽しく見られた。


読書三昧(10月)

2012-11-02 10:44:16 | BOOK


10月に読んだ本

伊坂幸太郎『夜の国のクーパー』
野田秀樹『エッグ』(新潮10月号)
文藝別冊『総特集 野田秀樹』KAWADE夢ムック
カルロス・ルイス・サフォン『天使のゲーム』上・下
東川篤哉『謎解きはディナーのあとで 2』

中で面白かったのは、バルセロナの作家カルロス・ルイス・サフォンの『天使のゲーム』

新聞社の雑用係から作家として独立したダビッドは、リュミエール出版の編集責任者を名乗る謎の男から、宗教にかかわる物語を作る代わりに、高額の報酬と望むものを与えるというオファーを受ける。死の寸前だった体がよみがえるのだが、それ以来身辺にいろいろな災いがふりかかる。
依頼主を疑いはじめた主人公は、過去の事件をさぐり依頼主の本性を明らかにしようとするのだが・・・。

主人公が魂を売る真ん中の部分あたりから、話が現実か幻想かそれとも夢かわからなくなって読む方も混乱してくるが、それでもラストまで引き込まれるのは文章と翻訳の力だろう。

主人公の活躍も面白いのだが、この小説の中でかなり大きなウエイトを占めているのがバルセロナの街の描写である。私が観光客として一日滞在したバルセロナは脳天気に明るくて、自由に見えたのだが、小説の中では憂いを含んだ街として描かれており、小説に深みを与えている。モデルとなった建物がバルセロナのあちこちにあると言うから、訪ねてみたいのだが、そこまでの体力がないのが残念。