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酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『生誕140年 吉田博展ー山と水の風景ー 後期』

2017-08-16 17:14:09 | 美術館


『生誕140年 吉田博展ー山と水の風景ー 後期』   (於)損保ジャパン日本興亜美術館

散歩しかしないとだんだん電車に乗ることさえ不安になる。病人とは情けないものだ。

暑さが和らいだので、思いきって新宿の「損保ジャパン日本興亜美術館」へ出かけた。吉田博という名前も知らずに、行ったのだが、入口から前に進まないほどの混みようにちょっとびっくり。
順路をたどるうち、その多才さと実力がわかり納得した。

山の絵などが得意な画家で、油彩、水彩に加え木版画もやっている。
展示は181点と多数。

私の好きな絵は小品ではあるが、「アルプス山中の村」と明るくて魅力的な「バラ」を描いた数点の作品。版画では思いきった赤を使った「ルガノ町 欧州シリーズ」など。


最後はこの美術館の目玉のゴッホの「向日葵」。久しぶりにみたが今日は迫力が全然感じられない。自分の体調が投影してしまうのだろうか。
隣に展示されているゴーギャンの「アリスカンの並木道 アルル」の方が地味だが独特の色彩で魅力的に見えた。

会期は8月27日(日)まで

『花・Flower・華ー琳派から現代へー』

2017-06-14 18:15:15 | 美術館

知人のSさんが行ったという山種美術館に行って来ました。「花・Flower・華ー琳派から現代へー」




テーマを花に絞り、画家も大家がそろっていて見ごたえありました。

好きなのは奥村土牛の桜の絵「醍醐」、山口蓬春の紫陽花の絵「梅雨晴」そして梅原龍三郎の「向日葵」など。
他では薔薇を描いた梅原龍三郎・中川一政・森田沙伊の三点を並べて展示してありましたが、それぞれの個性が際立って面白い試みでした。

会期は6月18日(日)まで




昼食は「オステリア ルッカ」でランチ。
フレッシュトマトとゴルゴンゾーラのパスタを食べました。手の込んだプロの味わいを感じました。ネットで見たら桝谷周一郎というシェフのお店だったみたい。

『笛吹市立 青楓美術館』

2016-09-14 10:29:44 | 美術館



山梨に車で、ぶどう狩りに連れていってもらいました。
その合間に立ち寄った、ぶどう畑に囲まれた小さな美術館。『笛吹市立青楓美術館』です。津田青楓の油絵・日本画・書などが展示されています。

入ると館員の方が丁寧に説明してくれます。
絵画は全体的には私の好みではありませんでしたが、夏目漱石の娘さんを描いた絵『少女』は中々興味深い作品でした。
あと青楓は漱石に絵を教えたり、小説『明暗』や『道草』の装丁もやっています。最近の漱石人気で、一般にはあまり馴染みのない青楓も見直されるかもしれません。




ぶどう狩りも楽しいですが、小さな美術館を訪ねることもまた旅の醍醐味です。





昼食はお庭のある『皆吉』というお店で、山梨名物「野菜ほうとう」を食べました。上品ないい味でした。




萩の花も咲いていました。

『雪と月と花 ~国宝「雪松図」と四季の草花~』

2015-01-15 12:31:26 | 美術館


『雪と月と花 ~国宝「雪松図」と四季の草花~』   於:日本橋の三井記念美術館

1月9日のBS日テレ「ぶらぶら美術・博物館」で紹介されたので行ってみたくなりました。

三井家のコレクションの中から「雪」「月」「四季の草花」などをモチーフにした絵画・工芸品が展示されています。今回の目玉は、円山応挙の代表作・国宝「雪松図屏風」。他にも国宝「志野茶碗 銘卯花墻」や酒井抱一「秋草に兎図襖」、象彦『月宮殿蒔絵水晶台』などがありました。
名品と言われるものはそれぞれいいのですが、私は、いくつかの作品にあった緻密な細工の「蒔絵」の美しさと、美術館の落ち着いた雰囲気の素晴らしさが印象に残りました。  会期は1月24日(土)まで

『ジョルジョ・デ・キリコー変遷と回帰』

2014-12-24 23:44:34 | 美術館


「ジョルジョ・デ・キリコー変遷と回帰」  (於:パナソニック汐留ミュージアム)

キリコ展行ってきました。最終日に近いので混むかと思いましたが、割合ゆっくり見られました。

ただ期待が大きかったせいか、感想としては何かが物足りない印象。特に人物や馬をメインにした絵にはあまり魅力は感じませんでした。点数も104点あるのですが、鉛筆による習作も数多く、点数程のボリューム感もありません。
中で一番好きなのは「彫像のあるイタリア広場」。無機質な描写がかえって心に響きます。

キリコは他にいい作品があるかもしれませんが、今日見た範囲では、同時代のマグリットの方が好きかな。

展覧会は12月26日で終了

『チューリヒ美術館展』

2014-11-06 18:22:55 | 美術館


「チューリヒ美術館展」 於:国立新美術館 
 
日本とスイスの国交樹立150年を記念して開催。

印象派以降の有名画家の作品とスイスにゆかりの画家の作品など74点を展示。
数の多い中ではマルク・シャガールの作品6点に見どころがあり、エドヴァルド・ムンクには今まで持っていたイメージとちょっと違った作品が見られる。
ピカソは2点だが、パワーのある作品が来ているし、アンリ・ルソーの「X氏の肖像(ピエール・ロティ)」やルネ・マグリットの「9月16日」などが私には魅力的だった。
他にスイスを代表する彫刻家アルベルト・ジャコメッティの作品も見られる。

展示数もほどよく、ゆったり見られるのがうれしい。
会期は12月15日まで。


『オルセー美術館展  印象派の誕生―描くことの自由』

2014-08-17 21:51:08 | 美術館


「オルセー美術館展 印象派の誕生―描くことの自由」

少し前になりますが、六本木の国立新美術館に行ってきました。「オルセー美術館展」です。
平日の昼で入場に並ぶことはありませんでしたが、中はさすがに混雑していました。

メインはチラシにもあるように、マネの「笛を吹く少年」。他にもオルセー美術館所蔵の、モネの「サンラザール駅」、セザンヌの「スープ入れのある静物」、カバネルの「ヴィーナスの誕生」、カイユポットの「床に鉋をかける人々」など有名な作品があります。

私の行った日に一番人だかりの多かったのがミレーの「晩鐘」でした。農民夫婦の静かな祈りに日本人の琴線に触れるものがあるのでしょう。

見たことのない絵で私が一番好きだったのは、モネの「アパルトマンの一隅」。絵の男の子は長男のジャンとのことですが、それは別にしてモネの絵にしては不思議な印象の残る作品です。

2014年10月20日まで

『モローとルオー  -聖なるものの継承と変容-』

2013-11-14 13:14:49 | 美術館


「モローとルオー  -聖なるものの継承と変容-」
 於:パナソニック 汐留ミュージアム 

キャッチフレーズは「世界で初めて、フランスを代表する二人の画家の芸術世界と心の交流がいま明かされる。」

フランスの象徴主義の巨匠ギュスターヴ・モロー(1826-1898)と彼に最も愛された弟子ジョルジュ・ルオー(1871-1958)の二人展。
二人とも好きな画家なのでもっと早く行きたかったのだが、今になってしまった。

ギュスターヴ・モローの作品で有名なものでは、『バルクの死の天使』『一角獣』『ユピテルとセメレ』などが出ている。ただ『一角獣』は女性に魅力がないし、『ユピテルとセメレ』は最晩年の同じ題の作品と比べるとずっと地味。モローと言えば『出現』などのきらびやかでインパクトのある作品を思ってしまうので、全般的には物足りない印象。

それに比べジョルジュ・ルオーの作品には面白いものが多かった。好きなものは『聖顔』、『我らがジャンヌ』、『道化師』、『キリスト』などなど。
中でも『道化師』は全般的に暗い印象のルーオー作品の中で穏やかな表情が魅力的であり、『キリスト』はちょっと落ち込んで見えるところがかわいい。椅子に座ってしばらく見つめてしまった。

体調に多少不安はあったが、展示の点数が程良く、込み具合もまずまずで、いい時間を過ごすことができた。

2013年12月10日(火)まで

『モネ、風景をみる眼~19世紀フランス風景画の革新~』展

2013-10-30 11:31:37 | 美術館


「モネ、風景をみる眼~19世紀フランス風景画の革新」展 於:ポーラ美術館(箱根 仙石原)

ポーラ美術館と国立西洋美術館のモネ作品が展示。今回二つの美術館を合わせて35点ものモネ作品があるということは、日本全国では何点ぐらいあるのでしょうか。日本人の印象派好き、モネ好きがわかります。
加えてマネ、ピカソ、スーラなどの作品を合わせ全部で約100点の充実した展覧会です。

今回の目玉はチラシ写真上のモネの「舟遊び」(国立西洋美術館所蔵)と写真下の「バラ色のボート」(ポーラ美術館所蔵)でしょうか。入ってすぐのところに二点並べて展示されています。ボートに乗る二人の女性のモデルはモネの後妻の連れ子ブランシュとシュザンヌのようです。
ゆっくり見ているうちに気がついたのですが、真正面からより少し斜めから見た方が水のきらめきが美しく見えます。

他にも「睡蓮」「ジヴェルニーの積みわら」「サン=ラザール駅の線路」「ルーアン大聖堂」「花咲く堤、アルジャントゥイユ」などモネの魅力的な作品が並び、見ごたえ十分。
レオナール・フジタの世界初公開という作品も二点あり、文句なくお薦めです。
会期は11月24日(日)まで

『プーシキン美術館展  フランス絵画300年』

2013-08-18 21:42:47 | 美術館


「プーシキン美術館展 フランス絵画300年」 於:横浜美術館

モスクワのプーシキン美術館所蔵のフランス絵画の中から66点を展示。
今まで横浜美術館はどちらかと言えば地味な展示が多かったが、今回は一見の価値ある絵画が集まっている。

全体的には人物画が多い。見どころはやはり印象派の作品。有名なモネ、ルノワール、セザンヌ、ゴッホなどの作品が並ぶ。
一番の売り物はルノワールの「ジャンヌ・サマリーの肖像」。あたたかな色彩とモデルの可愛らしさもあって多くの人を集めていた。

私の好みを三点挙げるとすれば、セザンヌの「パイプをくわえた男」・マティスの「カラー・アイリス・ミモザ」・ルソーの「詩人に霊感を与えるミューズ」か。特にマティスの作品の色合いに魅かれた。

有名な作品の前は二重三重の人垣で、もうちょっとゆっくり見たかったのが本音。でも会期が迫ってきたのでこれからもこの状態が続くかも。
(横浜美術館は9月16日まで)