酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書気分(29年7月)

2017-07-31 18:13:10 | BOOK



読書気分(29年7月)

使える薬がなくなり、とうとう抗がん剤のない生活が始まりました。
頼るもののない不安はありますが、あとはがんと仲良く付き合っていくしかありません。
でもいままで攻撃してきたので、がんは仲良くなってくれるかな?

7月に読んだ本
近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』
三崎亜記『チエーン・ピープル』
佐藤勝明『俳諧の歴史と芭蕉』
金子敦句集『音符』

☆近藤史恵『ときどき旅に出るカフェ』
主人公は会社勤めの37歳の独身女性。舞台は会社で後輩だった女性が一人で経営するかわいいカフェ。10編の短編が並ぶ形式をとっているが、それぞれの話を進めていくなかで、カフェの若い女性店主の核心へとミステリー風に迫っていく。内容はドラマチックだが、外国のお菓子がふんだんに出てきて、イメージはソフト。

☆三崎亜記『チエーン・ピープル』
ルポルタージュという仕事を生業とする人物がちょっと変わった人物に取材した6編のお話。少し理屈っぽい文体だが、話は中々ユニークで面白い。現代社会の怖さがじわっと来る感じ。お薦めだがぼんやり本を読みたい人には向かないかも。

☆佐藤勝明『俳諧の歴史と芭蕉』
伊賀市が芭蕉生誕370年を記念して開いた五回の講座の講演録がまとめられたもの。
1章の貞門、談林の部分は少し退屈だが、芭蕉の話になると俄然面白くなる。例えば、五月雨の句を例にあげて、芭蕉の句とそれ以前の句の違いを述べているなど具体的でわかりやすいのもいいところ。芭蕉に関心のある人にはお薦め。

☆金子敦句集『音符』
浴槽にあひるの浮かぶ良夜かな
冬晴の渚までゆくクラス会
炎帝が雷門を跨ぎけり
半分に割り焼藷の湯気ふたつ
定員は妖精ふたり花筏

『鴨屋 そば香』

2017-07-27 20:56:18 | 食べ物
蝉の声を聞きながら久しぶりに散歩。
家の新築現場や昔ながらの床屋さん・洗濯屋さんなど見ながら、ぶらぶら歩きます。





今日の昼食は、菊名で人気のお蕎麦屋さん『鴨屋 そば香』。いつも並んでいるのですが、時間が遅かったので待たずに入れました。
選らんだのは、冷たい「たぬき蕎麦」。青海苔入り揚げ玉と大根おろしやワカメが添えられています。さっぱりして暑い時にはもってこい。おいしくいただきました。

『桔梗』と『百日紅』

2017-07-19 22:24:34 | お花
さすがにこの暑さでは、日中に外に出るのは危険。
でもずっとベッドにいたら、薬の副作用でしびれている足が動かなくなる不安も。
そこで夕方になっておそるおそる出かけました。風があったので助かりました。



しばらく見ない間に新しい花が咲いていました。桔梗かな。





いつのまにか百日紅も満開に。

気分が変わって少し元気になれました。

『22年目の告白-私が殺人犯です-』

2017-07-13 16:32:08 | 映画



「22年目の告白-私が殺人犯です-」
◆監督:入江悠  脚本:平田研也、入江悠
◆出演:藤原竜也、伊藤英明、夏帆、野村周平、石橋杏奈、竜星涼、早乙女太一、平田満、岩松了、岩城滉一、仲村トオル

藤原竜也フアンに連れられて映画を見に行った。「22年目の告白-私が殺人犯です-」

息をつかせぬどんでん返しの面白さは十分見ごたえがある。
ただ暗い殺人シーンが多く流れ、見終わった時の爽快感もそれほど無い。
何故映画ランキングで三週一位になるほどヒットしているのかはよくわからなかった。

ラストシーン近く伊藤英明が殺す相手がいないのにピストルをずっとかまえたままとか、藤原竜也の年齢は何歳に設定されているのか(整形顔だから考えなくていい?)とかちょっと疑問な点もいくつか。

それはともかく、同行者は映画そのものよりも、色っぽい藤原竜也の活躍に大満足の様子。めでたし、めでたし。
(そう言えば先日終わったテレビドラマ藤原竜也主演の「リバース」もなかなか良かった)




映画の前の昼食は「そじ坊」初台の新国立劇場や三軒茶屋のシアタートラムの芝居の時にもよくいくお店。「おろしざるそば」が思いのほかおいしかった。


『ツール・ド・フランス』

2017-07-03 23:00:59 | 自転車
今年も7月1日から「ツール・ド・フランス」が始まりました。もちろん、Jスポーツ見てますよ。

ドイツでのスタートでしたが、1日目、2日目は雨で映像での見所はなし。
おまけにバルベルデが落車でリタイヤ、2日目には総合優勝候補のフルームの他、ゲラント・トーマス、バルデ、リッチーポートまで落車に巻き込まれてしまいました。こちらは無事みたいですが。


3日目のスタート」


今日3日目でやっと晴れました。
ツールは毎日5時間以上、21日間もあるのでテレビを見る方も体力いりますが、景色を楽しみながら、ボイントを選んで、のんびり見ることにします。


ヘリコプターから見る応援風景



ツール途中の教会

読書気分(29年6月)

2017-07-01 12:48:14 | BOOK


読書気分(29年6月)

読めた本はやっと4冊。だんだん「三昧」に程遠くなって来たので、題も「読書気分」に変えた。

6月の後半4・5日寝たきりになった。体がだるく何をする気もおこらない。ただただ、ベッドでうとうとしていた。胃が少し重い以外は何処も痛くないので医者にも行かなかった。過去の抗がん剤の疲れが一度に出てきたのか。
寝ていて自分の家が、カラスが鳴き、山に近くないのに鴬の声が聞こえ、電車の音が絶え間ないことをあらためて知った。
やっと動けるようになり、ブログ気分になったところ。

6月に読んだ本
川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』
恩田陸『失われた地図』
三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7―栞子さんと果てない舞台―』
荻原透葉子句集『初暦』

☆川上弘美『ぼくの死体をよろしくたのむ』
あいかわらずこの人の小説はつかみどころがない。半分夢を見ているみたいだ。
18編が収録された短編集。だから一つ一つはすごく短いのだけれど、それぞれに世界があり、雰囲気がある。身近なことを描きながら、内容はいつのまにか異界に飛んでいる。
中ではストーリー性のはっきりした「バタフライ・エフェクト」や洒落た感じの「ぼくの死体をよろしくたのむ」などが好き。

☆恩田陸『失われた地図』
変な小説だ。
厄災を生む都会の「裂け目」を縫い合わせ、「グンカ」と呼ばれる敵と戦う浩平、遼平、鮎観たち。風雅一族と呼ばれ、世間の人が知らないところで世のために戦っている。
一番変なのは武器が写真撮影の器具であること。銃に改造した三脚と写真撮影のレフ板。思っただけでも持ちにくそう。
今の世の不安を救いとっているような小説ではあるが、正直なじめなかった。

☆三上延『ビブリア古書堂の事件手帖7―栞子さんと果てない舞台―』
シリーズ第7巻。多少だれてきそうだが、本書は力がみなぎっている。シェイクスピアという魅力的な題材もあいまって読みごたえがある。
湘南鎌倉が舞台でありながら、登場人物がみんなどこかに闇を抱えているのが、この小説の魅力になっている。古書入札の値付けの方法や本の複製のやり方など理解出来ないところもあるが、シェイクスピアの古書の入札シーンから最後の解決部分への迫力はすごい。栞子さんの恋にも目途がつきそうで、シリーズの中で一番面白く読んだ。

☆荻原透葉子句集『初暦』
九十八歳という作者。八十歳ではじめた俳句という。ゆとりのある詠みぶりが羨ましい。
娘との年の差狭め炬燵かな
子が愛でしさくら老木となりにけり
麦藁帽だれがだれやらどの子やら
初写真猫も私もまるまると
初暦九十八歳こはれもの