昨日22日の夜シアターコクーンで『オレステス』見ました。
蜷川芝居の迫力はさすがです。
不倫をした上に、戦争から帰った父を殺した母親を、息子のオレステスが殺すというどろどろのお話。
母親殺しの罪に悩み、身も心も衰えていくオレステス。民衆の集会で姉エレクトラもろとも死刑を言い渡されます。友人ピュラデスの助けも受け反撃に出ようとするとき、神アポロンが水戸黄門のように登場、すべてまるくおさめてくれるのです。
今の私たちにも考えさせる復讐の連鎖という内容は、紀元前400年代の芝居とはとても思えない切実なものです。このような芝居がアテネの古代野外劇場で上演され、厳しい現実の前で民衆は神の登場を待ち焦がれたのでしょうか。
主演のオレステスの藤原竜也は狂気と平常をなんなく演じ分け、安定した演技で魅了します。カーテンコールで見せた笑顔は会心の出来であったことを感じさせました。ただ残念なのは丸顔に髭が今ひとつ似合わないのです。以前よりちょっと太ったのかな。
これに引きかえエレクトラの中嶋朋子。小柄で華奢な体の熱演は見ていて心配な程です(蛍ちゃん~藤原竜也を見習って少し太った方がいいよ~)
出だしで、声がかすれてはらはらしたけど、すぐ普通になったのでほおっ。
コロス(コーラスの語源・集団で役を演じる)の女性たちは、主役に劣らない重要な役回り。もう少し切れのある踊りや動きだともっと芝居が締まる気がするのですが。セリフもちょっと苦しそう。
舞台の上に降ったり止んだりする雨が美しく、非常に効果的です。今回の演奏は打楽器中心でしたが、音楽をフルに使えば、違った味わいも出そう。
上の写真は終幕に撒かれたチラシ。アメリカ・レバノン・イスラエル・パレスチナの国旗・国歌などが印刷されていました。蜷川さんの古代演劇と現代を結びつけるメッセージなのでしょうが、唐突で違和感を感じました。
今回は山形治江さん訳の戯曲を読むなど準備が過ぎて、意外性がなかったのですが、予習がなかったら筋も人間関係も私にはついていけなかったかもしれません。
最後に、藤原竜也はほとんど上半身裸の演技だったのですが、それでも初日の頃より露出度が減ったとこぼすリピーターのおばさんがいましたよ(笑)
蜷川芝居の迫力はさすがです。
不倫をした上に、戦争から帰った父を殺した母親を、息子のオレステスが殺すというどろどろのお話。
母親殺しの罪に悩み、身も心も衰えていくオレステス。民衆の集会で姉エレクトラもろとも死刑を言い渡されます。友人ピュラデスの助けも受け反撃に出ようとするとき、神アポロンが水戸黄門のように登場、すべてまるくおさめてくれるのです。
今の私たちにも考えさせる復讐の連鎖という内容は、紀元前400年代の芝居とはとても思えない切実なものです。このような芝居がアテネの古代野外劇場で上演され、厳しい現実の前で民衆は神の登場を待ち焦がれたのでしょうか。
主演のオレステスの藤原竜也は狂気と平常をなんなく演じ分け、安定した演技で魅了します。カーテンコールで見せた笑顔は会心の出来であったことを感じさせました。ただ残念なのは丸顔に髭が今ひとつ似合わないのです。以前よりちょっと太ったのかな。
これに引きかえエレクトラの中嶋朋子。小柄で華奢な体の熱演は見ていて心配な程です(蛍ちゃん~藤原竜也を見習って少し太った方がいいよ~)
出だしで、声がかすれてはらはらしたけど、すぐ普通になったのでほおっ。
コロス(コーラスの語源・集団で役を演じる)の女性たちは、主役に劣らない重要な役回り。もう少し切れのある踊りや動きだともっと芝居が締まる気がするのですが。セリフもちょっと苦しそう。
舞台の上に降ったり止んだりする雨が美しく、非常に効果的です。今回の演奏は打楽器中心でしたが、音楽をフルに使えば、違った味わいも出そう。
上の写真は終幕に撒かれたチラシ。アメリカ・レバノン・イスラエル・パレスチナの国旗・国歌などが印刷されていました。蜷川さんの古代演劇と現代を結びつけるメッセージなのでしょうが、唐突で違和感を感じました。
今回は山形治江さん訳の戯曲を読むなど準備が過ぎて、意外性がなかったのですが、予習がなかったら筋も人間関係も私にはついていけなかったかもしれません。
最後に、藤原竜也はほとんど上半身裸の演技だったのですが、それでも初日の頃より露出度が減ったとこぼすリピーターのおばさんがいましたよ(笑)