酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

「オーロラ」

2006-11-27 23:46:47 | 映画
映画「オーロラ」の試写会に行ってきました。
出演:マルゴ・シャトリエ 二コラ・ル・リッシュ 2006年フランス映画

「ニルス・タヴェルニエ監督がパリオペラ座のトップダンサーたちと作り上げる美と幻想の世界」というキャッチフレーズを信じて、優雅さや芸術性を期待すると 肩透かしを食うので要注意。
これだけのオペラ座のダンサーをそろえて、単なるバレー映画にしないのが、フランスらしいとも言えます。

類い稀な踊りの才能を持ちながら、踊ることを禁じられたオーロラ姫。財政難の自国を救うため、裕福な国の王子との婚約を迫られます。このあたりは竹取物語風です。
舞踏会に臨む王子たちの中に、日本と思われるジパンゴ王国もあります。暗黒舞踏らしい踊りもあって、フランスらしいからかいなのですが、このシーンが一番受けていました。

しかし彼女が愛したのは、肖像画を描く名も財もない絵描きでした。
やがて家臣の企みにかかり、オーロラ姫の切なくも美しい恋の運命は・・・となるのですが、実は筋立てはかなりアバウト。あれえ~とずっこける場面も多く、映画を見てからみんなで笑えるかも。
フランス版「オペレッタ狸御殿(鈴木清順監督)」といった感じの映画でした。

ただ主役の16歳、マルゴ・シャトリエのバレーは見ものです。

Love30~女と男の物語~

2006-11-11 18:48:09 | 演劇
「Love30~女と男の物語~」を見た。場所は渋谷のパルコ劇場。
男女二人が演じる短いしゃれた芝居3本の公演。
出演は水野美紀&山寺宏一 真中瞳&片桐仁 YoU&生瀬勝久の3組。
作者の違う芝居をそれぞれに演じる。

中では第二話の真中組が一番面白い。ちょっと勝気な結婚相談員真中と相談に来る純朴な片桐のかけあいがぴったりで笑えて泣ける。前の女子高生グループなど、次の芝居がはじまってもまだしゃくりあげていたほど。
面談相手と電話相談の相手が同じであるとお互いに最後まで気づかず、好きな人と別れてしまう。筋立てもうまく出来ている。

水野美紀(男性俳優の落とした携帯から写真が流出して騒がれた女優さん)の出る第一話は、二人の演技がぴったりとはいかず、しゃれた小品までにはいま一歩。

第三話は弟の葬式に帰った兄と弟の嫁の話。YoUの色っぽい仕草は魅力的だが、一番後ろの席だったため、微妙な表情がはっきり見えないことと、観客の笑いとセリフが重なり所々聞こえないのが残念だった。

出来のいい第二話だけでも十分満足。

坂東玉三郎舞踊公演

2006-11-09 19:57:15 | 演劇
坂東玉三郎の舞踊を見て来ました。
場所は熊本県山鹿市八千代座です。山鹿温泉の中にあります。
幟があがり、弁当屋さんや地元の土産物屋さんのテントも出て雰囲気を盛り上げてくれます。開演一時間前にもなれば大勢集まり、和服の人も混ざり華やかでした。

演目は舞踊「藤娘」と「鷺娘」。
衣装の早変わり(引き抜き)はもちろんびっくりするのですが、本当の凄さは違うところにあります。一瞬の手の動きや目の流れだけで、観客から笑いがでたり、感嘆のため息が出たり、誘いこむ力が凄いんです。

軽やかな感じの「藤娘」と対象的な「鷺娘」。
一番の見所は「鷺娘」の中で、白鷺とも見える娘が激しい雪の中で息絶えてゆくラストシーン。
八千代座の観客全員が陶酔状態なのが感じられます。

一人の力でこれだけ客の心をひきつけるのが玉三郎の芸の凄さでしょう。
私は舞踊に対して何の知識も興味を持たずに見ましたが、心からいいものを見たとの感動が湧きました。
カーテンコールに見せる玉三郎の表情からは、八千代座への心からの愛着も感じられ胸を打たれました。