酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『友達』

2008-11-15 23:13:43 | 演劇
『友達』三軒茶屋のシアタートラム
作:安部公房
演出・脚本の岡田利規は慶應大学卒業の28歳。今注目の若手演出家であり、劇団「チェルフィッチュ」の主宰でもある。その注目度は現在開催中の「横浜トリエンナーレ」で舞台映像が流れていることでもわかる。

芝居『友達』は一人暮らしの青年の部屋に9人の家族が突然入ってきて居座ってしまう。なんとか追い出そうとするのだが、多勢にぶぜいの押し付け愛に精一杯の抵抗はするのだが、ついには・・。
本当はあり得ないと思うけど、そんなことになったら結構怖い話。その怖さが伝わってこないのが物足りない。
ちょっと似たシチュエーションの別役実原作、坂手洋二演出の『マッチ売りの少女』などには遠く及ばない。
入って来る9人という数が多すぎて散漫になるのと、ベテラン陣のサービス過剰な演技が岡田の狙いとがかみ合ってないからだろう。
全役を若手でやった方が面白かったかもしれない。

演技が光っていたのは次女役のともさと衣。無理のない演技でありながら印象は強い。どこかで見たと思ったら、一昨年同じシアタートラムで私の中ではかなり評価の高かった『失踪者』にも出ていた。

『ICHI』

2008-11-12 19:52:06 | 映画
『ピンポン』の曽利文彦監督と綾瀬はるかの座頭市。
何かがおこりそうな取り合わせに期待したが、意外にも平凡な出来。

あの泥臭くて迫力ある勝新太郎の座頭市に挑戦しようというのだからそれだけの覚悟があったはずだが、残念なことにそれが見えない。
浪人(大沢たかお)との恋物語が加わった分、殺陣の迫力も分断されてしまった。

『僕の彼女はサイボーグ』のサイボーグ役につづき、今回も盲目役で一度も瞬きをしない綾瀬はるか、宿場町で争う窪塚洋介(白河組)や中村獅童(万鬼党)などの演技陣もそれなりに活躍はするが、いかんせん話に意外性がないのが致命的。

出演者のファン以外はおすすめ出来ない。