酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『恋する妊婦』

2008-02-24 15:47:36 | 演劇
作・演出岩松了
出演・座長婦人で妊娠8ヶ月の妊婦に小泉今日子、一座の座長に風間杜夫、座長に反発する副座長に大森南朋、その妹に鈴木砂羽、他に荒川良々、平岩紙、姜暢雄、森本亮治など。

大衆演劇の一座の裏話を、岩松了らしいゆるい感じでつないでゆく。

登場人物はそれぞれ自分の気持ちを話しているのだが、微妙にずれていて相手に伝わらない。噛み合わない会話のキャッチボールから、人間の本性を浮かび上がらせようというのが狙いか。
しかしこの面白さは、元々の筋がしっかりしていることが前提となる。
だが内容のほとんどは劇団員の色恋沙汰。それを純愛、暴力、レズ、ホモなどで色付けしただけの筋では物足りないのは当然。
若い男性俳優達の性格の描き分けも十分でなく、全体的に中途半端。
小泉今日子が不思議な感じの座長夫人を好演しているだけにもったいない。

東京乾電池の頃の岩松了の芝居はもっとメリハリがあり面白かった記憶なのだが・・・。

なんてったってびっくりしたのは小泉今日子の顔の小さいこと。
風間杜夫が亭主役で時々顔を寄せるのだが、どう見ても風間の四分の一位しかない。他の女優と比べても二分の一。若くてかわいく見えるのはそのせいかな~。

「夜顔」

2008-02-03 20:32:07 | 映画
監督 マノエル・ド・オリヴェイラ
出演 ミシェル・ピコリ、ビュル・オジエ

パリのコンサート会場で、アンリ(ミシェル・ピコリ)は今は亡き友人の妻・セヴリーヌ(ビュル・オジエ)と偶然再会をする。彼はその妻の秘密を知っている。彼が話しかけようと追いかけるが、その妻は逃げる。とうとう根負けした彼女は二人だけの食事のテーブルにつくことになるが・・・。

ポルトガルの巨匠が、カトリーヌ・ドヌーブ主演『昼顔』の38年後を設定して製作。
ルイス・ブニュエル監督へのオマージュとのこと。

キャチフレーズは「貴方もきっと持っている忘れられない過去の秘密―」

しゃれた映画と見るか、じいさん(99歳)監督の駄作と見るか。「昼顔」を見ていない私には言う資格はない。見ていれば、もう少し違った感想をもったかもしれない。

ただ「昼顔」を見ていないものにとって、昔のことをちらつかせ、セヴリーヌを呼び出すアンリは単なるストーカーの性悪爺さんにしか思えない。
ところどころの会話や駆け引きに面白いところはあるのは認めるが。

批評家が、「昼顔」を見てなくても十分面白いというので出かけたがやっぱり無理。
乗せられた私がばか。でも「昼顔」は見たくなりました。