「トイレット」荻上直子監督
もたいまさこを劇団3○○の舞台で、初めて見たのはもう何年前のことだろう。主婦の井戸端会議でのかけあいのおしゃべりが絶妙だった記憶がある。
その もたいまさこ が、外人の孫三人を相手に全編でセリフが二つしかない「ばーちゃん」を演じる。
母親が死んだ。残されたのは三人の子供と、ばーちゃん。そしてセンセイという名前の猫。
長男はプラモデルオタク、次男はパニック症候群、わがままな妹。ばーちゃんは、英語がわからないようで一言もしゃべらない。
ばらばらな家族が、ちょっとした出来事をきっかけに少しずつ心を開いていく様子を淡いタッチで描く。
映像も美しい。ミシン・餃子つくり・エアギター・ピアノなど織り込まれるエピソードもそつなく入っている。「おち」もちゃんとある。
ただ孫達に対する、ばーちゃんの心の動きが今一つ伝わってこない。口がきけるにもかかわらず一言も話さないのは、最後のセリフを生かすために必要だとはわかるのだが、やっぱり不自然さを感じてしまうのだ。
心穏やかになる映画ではあるのだが、感動するまでには何かが足りない。
もたいまさこを劇団3○○の舞台で、初めて見たのはもう何年前のことだろう。主婦の井戸端会議でのかけあいのおしゃべりが絶妙だった記憶がある。
その もたいまさこ が、外人の孫三人を相手に全編でセリフが二つしかない「ばーちゃん」を演じる。
母親が死んだ。残されたのは三人の子供と、ばーちゃん。そしてセンセイという名前の猫。
長男はプラモデルオタク、次男はパニック症候群、わがままな妹。ばーちゃんは、英語がわからないようで一言もしゃべらない。
ばらばらな家族が、ちょっとした出来事をきっかけに少しずつ心を開いていく様子を淡いタッチで描く。
映像も美しい。ミシン・餃子つくり・エアギター・ピアノなど織り込まれるエピソードもそつなく入っている。「おち」もちゃんとある。
ただ孫達に対する、ばーちゃんの心の動きが今一つ伝わってこない。口がきけるにもかかわらず一言も話さないのは、最後のセリフを生かすために必要だとはわかるのだが、やっぱり不自然さを感じてしまうのだ。
心穏やかになる映画ではあるのだが、感動するまでには何かが足りない。