酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(28年2月)

2016-02-29 23:33:09 | BOOK



読書三昧(28年2月)

私の抗がん剤の副作用は、信じられないほどのだるさがきて、加えてお腹が必ずこわれます。だから5日間ぐらいは完全ダウン。普段だとそれから徐々に回復するのですが、何故か今月は長期化。楽しみにしていた外出も控え、ベッドにいる時間が長く続きました。その分本もたくさん読めましたが、やはり散歩位はしたいですよね。

2月に読んだ本
滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
恩田陸『消滅』
柚月裕子『孤狼の血』
伊坂幸太郎『陽気なギャングは三つ数えろ』
米澤穂信『真実の10メートル手前』
西尾維新『掟上今日子の推薦文』
大野和基編『知の最先端』(カズオ・イシグロの章のみ)
能村研三随筆集『飛鷹集』
富川明子句集『菊鋏』
大矢恒彦句集『風船』

☆滝口悠生『ジミ・ヘンドリクス・エクスペリエンス』
第153回芥川賞候補作。
定義は良く知らないけれどこういうのを「私小説」と言うのだろうか。今は妻と小さな娘がいる私が「思い出せない」「わからない」といいながら、それでいて過去の出来ごととその時の心情を連綿と書いている。書かれた出来ごとの一つ一つはそれなりに心に残るのだが、この小説がいいのか悪いのか私にはわからない。
作者は今回『死んでいない者』で第154回芥川賞を受賞した。

☆恩田陸『消滅』
長編であるが最初から最後までずっと緊迫感の持続する面白い小説である。ただ結末は意外性がありスケールも大きなものなのだけど、まっとう過ぎて肩すかしの感じなのが惜しい。けれどお薦め。

☆柚月裕子『孤狼の血』
2016/2/14ブログで紹介済。

☆伊坂幸太郎『陽気なギャングは三つ数えろ』
陽気なギャング4人組とハイエナ記者の一騎打ち。伊坂幸太郎らしいハイテンポでかつうんちくやギャグが散りばめられた軽くて面白い話。病院の待ち時間などに読むには最適かも。

☆米澤穂信『真実の10メートル手前』
昨年読んだ長編『王とサーカス』の主人公でフリージャーナリスト「太刀洗万智」が活躍する短篇六編からなる。それぞれ推理の部分が余りにうまく進み過ぎて、いささか現実味にかけるが、作者の視点がジャーナリストの立ち位置にあるとすれば納得もいく。ただ取材後に主人公がどういう記事を書いたかは読者にゆだねられるのだが、私にはイメージが浮かばないままで、いささか未消化の部分も。
六編の中で面白いのは「正義感」、作者の意図を強く感じるのは「ナイフを失われた思い出の中に」か。

☆西尾維新『掟上今日子の推薦文』
記憶が一日ごとにリセットされる忘却探偵掟上今日子(おきてがみきょうこ)と元美術館警備員の親切守(おやぎりまもる)が事件を解決する話。なんとなく文章はまだるっこい。親切守が掟上今日子の心の内を推測する同じような話が何度も出て来るせいか。と言ってもこの文体が作者の個性だから仕方がない。
そんな不満はあるのだが、すべては付記の微笑ましさで解消。

☆大野和基編『知の最先端』
知性の最先端にいる天才7人に大野和基がインタビューしたもの。中の一人がカズオ・イシグロ。現在テレビドラマで放映中の『わたしを離さないで』の作者。小説を書くための自身の工程を包み隠さず話している。ドラマも違った目で見られそう。
他の天才のインタビューは余り興味ない分野だったので読むのを省略。

☆能村研三随筆集『飛鷹集』
筆者は俳句誌『沖』主宰で、市川市役所で文化部門の要職にあったこともある。随筆202編に俳句時評が少し加えられている。俳句の主宰としての苦悩や役所で文化面を担当した自信などが素直に語られていて、中々興味深い。

☆富川明子句集『菊鋏』
遠足のしんがり風がそつと押す
気に入つてくれしや巣箱ことことす
どんど火のうしろで闇が伸びちぢみ
ふんばれり午前十時の霜柱
カレンダー十二枚目の寒さうな

☆大矢恒彦句集『風船』
草刈つてをりぬ蛍を守る会
口論に負けて海鼠となつてゐる
休校の子とおはじきの春炬燵
本閉ぢるやうに本屋の閉ぢて夏
清水の舞台押し上げ花吹雪


『東京マラソン2016』  服部勇馬(東洋大)

2016-02-28 16:43:47 | 東洋大学


「東京マラソン2016」テレビで観戦。
  
東洋大学の服部勇馬くん頑張ったのですが・・・。写真の時点では日本人1位になったものの、最後に抜かれてしまいました。
いいタイミングで抜けだしたと思ったのですが、青山学院大組にも追いつかれ日本人4位、オリンピックの夢も消えました。本当に残念でした。


ケニアやエチオピアの選手たちとの差が大きく、オリンピックで日本人選手の活躍は難しそうですが、今回上位の若い選手たちに期待したいですね。

歌川広重 「東海道五十三次之内 行書版全揃」

2016-02-26 19:05:13 | 美術


川崎の「砂子の里資料館」に行ってきました。
無料で浮世絵が見られるうれしい美術館です。



2月の展示は、歌川広重「東海道五十三次之内 行書版全揃」。

パンフレットには、今回の行書版は他の版と違い、旅人目線で描かれ街道の旅の雰囲気が満ちているとのこと。確かに版画とは思えないほど人物が生き生きと描かれています。特に人物の手足の動きや顔の表情などが細やかです。またそれぞれの土地の名物や特産品なども出てきて楽しませてくれます。
非常に親しみやすい作品です。

3月の展示(3月7日~3月26日 日曜・祝日は休館)は、同じ歌川広重の「東海道五十三次之内隷書版全揃」で、今月の展示と比較すると面白そうです。

『大倉山梅林』

2016-02-21 13:32:23 | お花



私にとって2週間ぶりの遠出。「大倉山梅林」に行ってきました。
天気もまずまず、花も今一番の見ごろです。





梅林までの坂道は病みあがりにはちょっときついですが、花が見えると忘れてしまいます。
梅を見ながら、生姜が良く効いて前から気に入りの露店の甘酒を一杯飲んで帰りました。





梅林横の大倉山記念館。実業家で後に東洋大学学長を務めた大倉邦彦により昭和7年(1932)創建されたとのこと。
東洋大学と縁があったのですね。始めて知りました。


柚月裕子『孤狼の血』

2016-02-14 11:06:49 | BOOK


読んだ小説は、月末にまとめて「読書三昧」に載せているのだけど、あんまり面白いのがあったのでご紹介。

☆柚月裕子『孤狼の血』

作者が女性とは思えない骨太の警察小説である。
舞台は広島。暴力団抗争の中で、ヤクザとの癒着を噂されるはみ出し刑事・大上とその若い部下・日岡が活躍する話だが、ともかく文句なしに面白い。

登場人物は多いが巻頭に人間関係図があり、また章の前にある日岡刑事の日誌で1日の出来事がわかるようになっている。私のように読解力の鈍いものには大助かりである。そしてネタばれ出来ないが、一部消された日誌が最後に大きな意味があるとは・・・。

主人公のはみだし刑事とその部下そして飲み屋のおかみという構図は、ちょうどテレビの『相棒』と同じだが、本小説のキャラクターはずっと濃厚。大おススメ!

MOA美術館  大名品展「紅白梅図屏風」と「色絵藤花文茶壺」

2016-02-05 12:29:42 | 美術


MOA美術館  大名品展「紅白梅図屏風」と「色絵藤花文茶壺」

車に乗せてもらって、MOA美術館に行ってきました。お目当ては尾形光琳の国宝「紅白梅図屏風」。
テレビなどで何度も見ているからか思ったほど感激しませんでした。真ん中を流れる水流が大きすぎて、圧迫感があります。会場の照明のせいもあり、印象が暗い感じもしました。この作品は少し離れて見るのがいいようです。

ほかの展示では浮世絵の肉筆画に面白いものがいくつかありました。

展示は2016年03月06日(日)まで





昼は館内の「レストラン桃山」で釜揚げぶっかけうどん。揚げた桜エビも入って上品な味でした。

帰りは熱海梅園に寄りましたが、寒くて体調不良になり早々に帰ってきました。

『鴨屋 そば香』

2016-02-02 15:57:40 | 食べ物



『鴨屋 そば香』

菊名で人気店という「鴨屋 そば香」に行ってきました。
相変わらず遅い昼食。2時前になっていたので、もうすいていました。

頼んだのは温かい「きつね蕎麦」。
少し高めの値段ですが、お揚げの他に玉子・わかめ・ねぎ・三つ葉・茗荷・大根おろしが入っています。しっかりした味付けで、評判どおり美味しいお店でした。





ぶらぶら散歩していたら、もう梅が咲いていました。