酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

江東区芭蕉記念館

2006-05-28 23:59:09 | 美術館
芭蕉記念館(都営新宿線・都営大江戸線:森下駅徒歩7分)に行ってきました。
今回の展示の目玉は、芭蕉が「おくのほそ道」の旅で,須賀川滞在中に等躬に残した自筆の三物懐紙。発句は有名な「風流の初や奥の田植歌」。
他に芭蕉が生前使用の蓮の葉形の硯、芭蕉庵で愛好の石の蛙などが見られます。

大学の先生が学生を連れて説明しているのが、二組ありました。それぞれ10人位いましたが女子学生ばかり。国文学の関心が女性にしかないのか、たまたま女子大生のグループであったのか。
先生の説明を聞いても、学生からは誰一人質問も感想もなく、無言のまま出て行ったのが気になりました。

砂子の里資料館(川崎)

2006-05-19 19:31:16 | 美術館
砂子の里資料館(京浜急行川崎駅徒歩3分)を訪ねた。旧東海道沿いの川崎宿を偲ぶ文化施設の一つで、個人所蔵の浮世絵や錦絵などが、展示されている。
現在「まだお見せしなかった初期錦絵から昭和の版画展(その2)」(5月27日まで)と題し、版画61点を展示。
有名な浮世絵作品を、心ゆくまで鑑賞できるのがよい。
今回の展示で私の一押しは喜多川歌麿の恵比須講を描いた3枚続の作品。忙しく働く女性の動きを一人一人細やかに描いている。版画と思えない緻密さである。
他に、初代歌川広重の魚や貝などを描いた作品に魅かれた。
私は鈴木春信が好きだが、今回展示の春信はパンフレットには名品とあるが、一番の魅力である線の柔らかさに乏しく、ちょっと物足りない。
・・・と、知ったか振りをしてみたが、東洋大学の藤澤紫先生の講義を聞いて、その気になった、にわか浮世絵ファンである。


Suicaカードの失敗

2006-05-11 23:28:24 | Weblog
スイカは改札口でタッチするものですが、今日間違って切符の投入口に差し込んでしまいました。入ったと思ったとたん、ぴんぽん♪ぴんポン♪といやな音。
駅員 「どうされましたか?」
私  「スイカが入ってしまって・・・」
駅員 「こんなことたびたびやられたら困るんですけどね。壊れちゃうんですか ら。」
私(心の中で) 「私はじめてなんですけど・・・。 あっ!そうかぁ~同じこと やる人、いっぱいいるんだぁー」と、ちょっと安心。
というわけで、スイカは駅員さんの予言どおり、あっさり壊れていて使用不能。明日以降に再発行ということになりました。

タイタス・アンドロニカス

2006-05-06 00:13:40 | 演劇
彩の国さいたま芸術劇場・蜷川幸雄演出
人は何故、悲劇を見たいと思うのだろうか。シェイクスピアはどんな気持でこの戯曲を書いたのだろう。いろいろな思いの交錯する観劇であった。

ゴート族との戦いに勝利した、ローマの武将、タイタス・アンドロニカス(吉田鋼太郎)が凱旋帰国する。捕虜として連れ帰った敵方の女王タモーラ(麻実れい)の命乞いを聞かず、タイタスはその長男を虐殺してしまう。そこから復讐の連鎖が始まる。新皇帝に取り入ったタモーラは、策略でタイタスの息子二人を処刑するとともに、タイタスの娘ラヴィニア(真中 瞳)を自分の息子達に強姦させた上、舌と両手を切り落とさせる。この策略の背後にタモーラの愛人でムーア人のエアロン(小栗 旬)がいる。真相を知ったタイタスはタモーラへの驚くべき報復へ最後の執念を燃やす。
「タイタス・アンドロニカス」は、親子の愛がもたらす復讐と殺戮の物語と言えよう。

この芝居で二人の出演者に注目した。
一人はエアロン役の小栗 旬。原作を読んで私は、ずんぐりむっくりの黒人をイメージしたので、違和感を心配したが、黒い肌・鋭い眼光・立ち姿のかっこよさなどで、小栗 旬なりのエアロン像を作り上げていた。
もう一人はグレート義太夫。悲劇の中で唯一笑いをとれる道化役だったが、遠慮がちな芝居で物足りなかった。演出の制約かもしれないが、大きな活躍の場を逃したのではないかと、義太夫フアンの一人としては惜しまれた。

親子の深い愛情は、それを妨げる他者への深い憎悪を生み出す。シェイクスピアの戯曲が、現代まで人気を持ち続けているのは、言葉遊びや卑猥な笑いを交えながら、人間の本質に鋭く迫るものがあるからではないだろうか。



東京国立近代美術館

2006-05-01 20:08:18 | 美術館
藤田嗣治展(5月21日まで)に行った。
藤田23歳の自画像から、エコール・ド・パリ時代、中南米、日本、そして再びパリへ戻ったすべての時代の作品約100点を展示。
白の時代、カラフルな時代、そして宗教画の金色など、色彩は明るく(戦争画を除く)誰にでも楽しめる作品群である。晩年の作品の子供の愛らしさにも魅了される。
これらの作品を見ると、藤田が並はずれた才能を持ったグローバルな画家であることが、素人目にもよくわかる。
ただ色彩の明るさに比べると、描かれた人物の視線が全般的に暗く感じられるのが気になった。
ともかく藤田嗣治作品の一級品の並ぶ見ごたえのある展覧会である。