酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

読書三昧(28年11月)

2016-11-30 23:27:08 | BOOK


読書三昧(28年11月)

寒いのでベッドにいる時間が長い。11月の体調は可もなく不可もなし。今の私にはこれが最高。

11月に読んだ本
誉田哲也『増山超能力師事務所』
真保裕一『遊園地に行こう』
中村文則『私の消滅』
和田耕三郎句集『椿、椿』
峰崎成規句集『銀河の一滴』

☆誉田哲也『増山超能力師事務所』
「姫川玲子シリーズ」の重量感を期待したが傾向は全く違うライトな感覚。超能力を持ったものが集まり悩む人たちの相談にのる事務所の話。事務所に勤務する人を含め主人公を変えた七話からなる。得意の警察が絡む最後の「相棒は謎の男」が一番面白いかも。

☆真保裕一『遊園地に行こう』
何という微笑ましいというか甘いというか、真保裕一ってこんな小説書く人だっけ。途中犯人捜しの部分で少し面白くなるのだけれど、結末ははぐらかされた感じでがっくり。私の好みではない。

☆中村文則『私の消滅』
面白い!自分が考えもつかない世界につれていかれるのは楽しい。小説はこれでなくっちゃ・・・。中村文則の小説を読むのは「掏摸 スリ」以来かも。

☆和田耕三郎句集『椿、椿』
それぞれに好きな人ゐて秋澄めり
ふた駅を眠れば夏の海見えて
子供の日子どもの靴をおろしたり
灯台に吹く風冬となつてをり
三島忌の銀座にをんな待たせたり

☆峰崎成規句集『銀河の一滴』
ふらここや靴底空とハイタッチ
おくるみの小さな欠伸枇杷の花
うららかや気の合ふ本とランチして
残る虫終電が今遠ざかる
行き帰り道を違へて春惜しむ


『キネマと恋人』 

2016-11-29 19:58:04 | 演劇


『キネマと恋人』  (於)シアタートラム

【台本・演出】 ケラリーノ・サンドロヴィッチ、 【出演】妻夫木聡・ 緒川たまき・ともさかりえ・三上市朗・佐藤誓・橋本淳・尾方宣久 廣川三憲 村岡希美 他

昨日芝居『キネマと恋人』見てきました。何人かの役者さんがインフルエンザにかかりしばらく休演していたのですが、たまたま昨日から再開。ラッキーでした。

ウディ・アレン監督の映画「カイロの紫のバラ」を翻案した作品で、舞台はとある日本の港町。主役は映画が大好きな女性(緒川たまき)で、映画の脇役に出ている俳優と彼が演じる侍の両方に恋してしまうというファンタジックなお話。

映画の登場人物が画面から飛び出すなどドタバタの面白さもありますが、究極はほのぼのとした姉妹の愛情あふれる物語。

舞台転換はダンスを交えながらスムーズに進み、映像も役者との掛け合いまでこなす見事なもの。3時間全く飽きさせないケラリーノ・サンドロヴィッチはさすがに凄い。

文句なしに楽しいのですが、ひねりや風刺が少ないので印象はちょっと薄いかもしれません。

役者では姉(森口ハルコ)役の緒川たまきがおっとりしたいい味を見せ、妹役のともさかりえといいコンビ。妻夫木聡は俳優(高木高助)と映画の登場人物(間坂寅蔵)を軽やかに演じ笑わせてくれます。

東京公演は12月4日(日)まで

『ジョルジュ・ルオー大回顧展』

2016-11-25 22:24:02 | 美術



『ジョルジュ・ルオー大回顧展』  (於)銀座7丁目「ギャルリーためなが」

ルオー展行ってきました。ジョルジュ・ルオー財団の協力で、約50点を展示。
ルオーの展覧会でこれほど見ごたえのあるのを見たのは初めて。素人目にもいい作品ばかりです。

過去に見たのはもっと暗い印象だったのですが、ここでは明るい色調の作品も多数あります。一番好きなのは「ピエロ」。
大満足でおすすめです。

会期は 12月11日(日)まで。入場無料。





帰りは日比谷公園まで足をのばしました。黄葉が美しく、いい一日になりました。

かわさきジャズ2016 『グランド・フィナーレ ジャズ travels ワールド』

2016-11-21 12:12:34 | コンサート
かわさきジャズ2016 『グランド・フィナーレ ジャズ travels ワールド』
(於)ミューザ川崎シンフォニーホール

出演 【第1部】タンゴ meets ジャズ  三浦一馬(bandoneon)他
【第2部】クラシック meets ジャズ  ファジル・サイ(p)
【第3部】ジャズ meets ジャパン 山下洋輔(p)大谷康子(vn) 大倉正之助(大鼓)




ジャズのコンサートにはほとんど行かないのだけれど、有名な山下洋輔が出るというので、昨日川崎のミューザまで出かけた。まず会場の大きさと立派さにびっくり。床の木の感触が心地よい。
第一部はバンドネオンが中心、第二部はトルコのピアニスト。第三部はピアノの山下洋輔にバイオリン・大鼓のコラボ。

それぞれに聞きごたえはあるのだけれど、会場が大きいせいか楽しいという気分にまではいかなかった。
毎年「自由が丘女神まつり」で、異常に迫力があって踊りだしたくなる楽しいジャズを聞いているせいで物足りなく感じるのかもしれない。

『菊名池公園』

2016-11-07 18:28:34 | 風景


今日もいい天気。東横線の妙蓮寺まで行って来ました。
菊名池公園の池には、子鴨が15羽ぐらい気持ち良さそうに泳いでいました。




昼食は妙蓮寺駅に近い『中華柳月』でラーメン。昔ながらの中華そばで懐かしい味でした。

『全日本大学駅伝・東洋大』

2016-11-06 20:00:36 | 東洋大学
今日は全日本大学駅伝。テレビで応援してました。東洋大は6位。

来年のシード権を確保したのですから、立派なものなのですが、一時の勢いからみるとちょっとさびしい気もします。
でもメンバーが変わるのだから仕方ないですね。
正月の箱根に期待しましょう。



来週は点滴なので、元気なうちに散歩。
途中見つけた石蕗の花。

読書三昧(28年10月)

2016-11-01 15:44:09 | BOOK


読書三昧(28年10月)

抗がん剤のせいか湿疹ができたり、お腹の具合が悪かったり、落ち着かない日が続いた。
この頃は夢の中に出てくる自分も病人であるのが悲しい。

10月に読んだ本
原田マハ『暗幕のゲルニカ』
近藤史恵『サクリファイス』
柚木麻子『奥様はクレージーフルーツ』
西尾維新『掟上今日子の家計簿』
西尾維新『撫物語(ナデモノガタリ)』

☆原田マハ『暗幕のゲルニカ』
この小説は1900年代半ばと2000年初頭をいったりきたりして進行する。ピカソの『ゲルニカ』の描かれた時代をピカソの愛人ゾラの目で、そしてアメリカモーマ美術館へ『ゲルニカ』を持ってこようとする時代をキュレーター瑶子の目をとおして書かれている。
モーマ美術館勤務の経験を持つ原田マハでなければ書けない小説。後半同じことが繰り返し書かれ多少くどい部分もあるが、『ゲルニカ』という絵が訴える強いメッセージに視点をしぼったこの作品に強くひかれた。この作者の作品では他に『楽園のカンヴァス』や『ジヴェルニーの食卓』など美術を扱った作品はどれも好きだ

☆近藤史恵『サクリファイス』 
サイクルロードレースをテーマにしたミステリー風小説。
テレビで毎年ツールドフランスを見ているので(といってもフランスの美しい景色を見ているだけだが)小説にはスムーズに入りこめた。緊迫感あって面白いのだが、ミステリーとして読むと、ラストで明かされる動機や手法にすっきりしない部分があり、謎解きという面ではいま一歩か。
小説も面白いが、文庫本の巻末にある書評家大矢博子の解説が抜群に面白い。

☆柚木麻子『奥様はクレージーフルーツ』
フルーツをテーマにした短編集。主人公は仲が良いがセックスレス夫婦の妻、島村初美。色っぽい妄想は、いつもいいところまでいくものの、最後にはぐらかされてしまう。各編に使われる苺、桃、マンゴーなどの果物がどう絡ませられているか、作者の腕も見もの。
言葉一つ一つを味わって読めばいいのだが、筋だけを追うと、ある意味パターンなので飽きるかもしれない。

☆西尾維新『掟上今日子の家計簿』
またまた掟上今日子。今回の4編の中では「掟上今日子の筆跡鑑定」が一番面白いかな。
「掟上今日子の叙述トリック」は犯人が明かされていなくてもやもやしたが、ネットで解き明かしてくれている人がいてやっと納得。
最新刊を読んだつもりだったが、もう次の『掟上今日子の旅行記』が10月に出ているみたい。

☆西尾維新『撫物語(ナデモノガタリ)』
またまた西尾維新。掟上今日子シリーズは読んだので、今回は『撫物語』。物語シリーズはこれを含め18巻も出ているから結構人気らしい。ただどうも中高生対象なのかも。
主人公は15歳の漫画家千石撫子。中学生だが不登校。漫画製作の効率を上げるため本人の分身を4人作って協力させようとしたが、勝手に町に出て行ってしまう。なんとか捕まえようとするのだが・・・。
今はやりの怪異ものに、中学生の悩みらしきものをさりげなく加えてあるのが人気の秘密か。かわいいお話なので一冊読んでこのシリーズはとりあえず終了