酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『2人の夫とわたしの事情』

2010-04-27 20:05:22 | 演劇
「2人の夫とわたしの事情」 シス・カンパニー公演  シアターコクーン
原作:ウィリアム・サマセット・モーム 演出・台本:ケラリーノ・サンドロヴィッチ

(ネタバレあります)

ヴィクトリア(松たか子)は戦争に行った夫ビル(段田安則)の戦死を知り、1年後夫の友人フレディ(渡辺徹)と結婚する。
ところが死んだはずの夫が突然帰ってきたために大騒ぎ。
ヴィクトリアにゾッコンの成金レスター・ペイトン(皆川猿時)も加わって・・・といういわゆるドタバタ喜劇。

受験英語に登場したサマセット・モームがこんなに楽しく、洒落た戯曲を書いていたなんてびっくり。

松たか子、段田安則、渡辺徹の息がぴったりで笑わせる。

前半一番奔放で生き生きと見えたヴィクトリアが、家を離れる最後は明るくおどけながらもどこかに空虚さを匂わせるのは、松たか子の演技力か。

ヴィクトリアの呪縛を解き放たれた男二人が、シャンペンで乾杯するラストが楽しい。


『謝罪の罪』

2010-04-05 23:22:52 | 演劇
「謝罪の罪」 ペンギンプルペイルパイルズ公演
下北沢ザ・スズナリ  作・演出:倉持裕  出演:小林高鹿・玉置孝匡他

職場の仲間を殴ってしまった遠藤(小林高鹿)は倉庫に閉じ込められ、事情を聞かれる。何故殴ってしまったのか。本人にも明解な説明は出来ない。その間に殴られた方が悪者という雰囲気が出来上がっていく。その時昔の同級生の女性白井(ぼくもとさきこ)が登場し、遠藤の覚えていないびっくりする出来ごとを話出して・・。

それぞれの立場の心の奥底を探るような深いテーマを、演出の倉持は笑いを交え軽いタッチで描く。
言葉の一つ一つが大事な芝居なのでスピード感には欠けるが、自然に引き込まれる。

ぼくもとさきこはじめ五人の演技も完成度は高い。

ただ私の一押しの倉持裕にしては、今回は多少パンチ力不足か。
公演は4月4日終了。