井上ひさし作・栗山民也演出 「こまつ座第81回公演」 新宿紀伊国屋サザンシアター(1月26日観劇)
まず、4日前の「劇団☆新感線」の舞台と客層の違いにびっくり。今日は団塊世代と思われる年齢が中心で、それも男性が四割。男子トイレで並んだのは芝居では久しぶりのことである。
舞台は終戦後GHQの占領時代のNHK。「尋ね人の時間」を担当する人たちの日々を描いている。
私は誰でしょうと自分探しをしている記憶喪失の青年、日米二重国籍の民間情報局員、組合活動家などがからむ。それぞれの抱える問題が少しずつ明らかになってゆくにつれて、点が線に変わってゆく。
当時の日本の状況、その時代を生きた人達の思いを風化させたくないという作者の思いは伝わってくる。
しかし如何せん芝居は未完成である。井上ひさしの脚本の遅れで、まだ幕があいて5日目。その先入観かも知れないが、セリフが不安定。不自然で、微妙な間が芝居の流れを悪くしている。
後ろに座ったおじさんたちの話題は、芝居よりたまたま見に来ていた山田洋次監督に集中。座っているだけで存在感があるのはさすがであるが、芝居側からはちょっとさびしい状況。
「天保十二年のシェークスピア」や「頭痛肩こり樋口一葉」など井上ひさしの切れは残念ながら見られない。次回の蜷川幸雄とのコンビの「薮原検校」に期待するしかない。
今回の出演者の中では大鷹明良に注目。「演劇舎蟷螂」で美加里などと共演していた頃は男っぽい精悍な役者のイメージだったが、一変して放送用語調査室主任という、さえないおじさん役に挑戦しているのが面白かった。
まず、4日前の「劇団☆新感線」の舞台と客層の違いにびっくり。今日は団塊世代と思われる年齢が中心で、それも男性が四割。男子トイレで並んだのは芝居では久しぶりのことである。
舞台は終戦後GHQの占領時代のNHK。「尋ね人の時間」を担当する人たちの日々を描いている。
私は誰でしょうと自分探しをしている記憶喪失の青年、日米二重国籍の民間情報局員、組合活動家などがからむ。それぞれの抱える問題が少しずつ明らかになってゆくにつれて、点が線に変わってゆく。
当時の日本の状況、その時代を生きた人達の思いを風化させたくないという作者の思いは伝わってくる。
しかし如何せん芝居は未完成である。井上ひさしの脚本の遅れで、まだ幕があいて5日目。その先入観かも知れないが、セリフが不安定。不自然で、微妙な間が芝居の流れを悪くしている。
後ろに座ったおじさんたちの話題は、芝居よりたまたま見に来ていた山田洋次監督に集中。座っているだけで存在感があるのはさすがであるが、芝居側からはちょっとさびしい状況。
「天保十二年のシェークスピア」や「頭痛肩こり樋口一葉」など井上ひさしの切れは残念ながら見られない。次回の蜷川幸雄とのコンビの「薮原検校」に期待するしかない。
今回の出演者の中では大鷹明良に注目。「演劇舎蟷螂」で美加里などと共演していた頃は男っぽい精悍な役者のイメージだったが、一変して放送用語調査室主任という、さえないおじさん役に挑戦しているのが面白かった。