今年最後の芝居は渋谷シアターコクーンでの「東京月光魔曲」。
作・演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ。
出演は「のだめ」の峰竜太郎役の瑛太に、元キャンディーズの伊藤蘭、白鳥麗子が懐かしい松雪泰子。それにユースケ・サンタマリアや橋本さとしなどにぎやか。
昭和初期の混沌とした時代の東京。田舎から出て来た兄弟、戦争の傷を抱える双子の兄弟、同じ戦争で父を亡くした姉弟、そして影をもつ金持ち夫婦。探偵と女助手と売れない作家の三人も狂言回し的役割で登場。その他にもカフェの経営者やその息子たち。たくさんの人物が、回転の早い回り舞台で交錯する。
内容も、戦争や震災の後遺症、怪しい宗教、2組の近親相姦、アブノーマルセックス、兄弟愛、片思い、多数の猟奇的殺人などの話が次々展開していく。加えて殺人事件にはそれぞれ伏線がひいてあるのだが、ごたごたの展開で筋を追うだけで精一杯。
軽いタッチでいろいろな話を並行して進めるというのがケラさんの特徴なのだろうが、今回は多くを詰めこみ過ぎた感じがする。
中では探偵(橋本さとし)と助手(犬山イヌコ)と作家(大倉孝二)の微妙な関係、特に犬山と大倉の掛け合いが自然で面白い。それぞれの片思いのせつなさも上手く感じさせる。
明るいがどこか儚さを感じさせる「東京ラプソディ」のダンスが舞台を盛り上げ、最後はどんでん返しも用意されているのだが、ぴたりと着地が決まったとはいいがたい。
(2010年1月10日まで)
作・演出はケラリーノ・サンドロヴィッチ。
出演は「のだめ」の峰竜太郎役の瑛太に、元キャンディーズの伊藤蘭、白鳥麗子が懐かしい松雪泰子。それにユースケ・サンタマリアや橋本さとしなどにぎやか。
昭和初期の混沌とした時代の東京。田舎から出て来た兄弟、戦争の傷を抱える双子の兄弟、同じ戦争で父を亡くした姉弟、そして影をもつ金持ち夫婦。探偵と女助手と売れない作家の三人も狂言回し的役割で登場。その他にもカフェの経営者やその息子たち。たくさんの人物が、回転の早い回り舞台で交錯する。
内容も、戦争や震災の後遺症、怪しい宗教、2組の近親相姦、アブノーマルセックス、兄弟愛、片思い、多数の猟奇的殺人などの話が次々展開していく。加えて殺人事件にはそれぞれ伏線がひいてあるのだが、ごたごたの展開で筋を追うだけで精一杯。
軽いタッチでいろいろな話を並行して進めるというのがケラさんの特徴なのだろうが、今回は多くを詰めこみ過ぎた感じがする。
中では探偵(橋本さとし)と助手(犬山イヌコ)と作家(大倉孝二)の微妙な関係、特に犬山と大倉の掛け合いが自然で面白い。それぞれの片思いのせつなさも上手く感じさせる。
明るいがどこか儚さを感じさせる「東京ラプソディ」のダンスが舞台を盛り上げ、最後はどんでん返しも用意されているのだが、ぴたりと着地が決まったとはいいがたい。
(2010年1月10日まで)