酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

間違いの喜劇

2006-02-15 22:59:53 | 演劇
シェイクスピア原作・蜷川幸雄演出・彩の国さいたま芸術劇場
今日の公演はNHKの録画取りで開場時からテレビカメラが回っていた。Vサインしたくなるのを我慢して入場。
L2入口で演出の蜷川さんが知人と抱き合って挨拶中。誰か「いらっしゃってたんですか」蜷川さん「毎日来てるんだよ」と、にこにこ回答。楽しそうだ。芝居が順調なのだろう。
「間違いの喜劇」は船の難破で別れ別れになった、二組の双子の物語。別々に育った双子たちがエフェソスの街で一緒になったから大変。取り違いでおきるドタバタの喜劇。でも単なるドタバタで終らせないのがシェイクスピアの凄さ。冒頭の別離の悲劇の語り、最後の夫婦・親子・兄弟の再会の感動シーンなど見せ場がいっぱい詰まっている。
ただシェイクスピア劇の難しいのは言葉遊びの部分。駄洒落や下ネタが翻訳となると、なかなかうまく伝わってこないのだ。
今回それを救ったのが、ドローミオ(二役)を演じた高橋洋ちゃん。はっきりしたセリフと動きでしっかり笑いを取っていた。はまり役と言えるだろう。
もう一人目立ったのがルシアーナ役の月川悠貴。姿といい声といい、完璧な女性になりきっている。普段が男を演じているのではないかと疑うほど。ドタバタの中で静かな演技で存在感を見せている。
ともかく楽しい芝居である。彫像や鏡をはめこんだ舞台美術の美しさもあり、お勧めの舞台と言えよう。


グレート・ビギン

2006-02-14 15:07:38 | 映画
ふう~ん。「地球誕生から46億年!!ヒトはどこから来たのかという永遠の謎に迫る!」 宣伝文句は素晴らしい。確かに映像や音楽にも見所はある。でもいかんせん、まだるっこいんだよね。
ドイツをけなし、アメリカをけなし、いい気になっているフランス映画の面白さはどこへいってしまったの。
アフリカ人の男の語り部が、ストーリーを話すんだけど哲学的。「生まれたことは、必ず消える」ふんふん。そういえば議論好きで、哲学好きなのもフランス人か。動物の愛の表現のシーンが長いのもフランス的かも。
でもこれでは、動物の生態の寄せ集めにしか見えないよ。自然や生き物の映画は見たいけど、素直に楽しくとった映画を輸入してよ、角川ヘラルドさん!

THE有頂天ホテル

2006-02-09 00:19:17 | 映画
満員の映画館は何年ぶりだろう。相変わらず三谷さんの人気はすごい。
ホテルの従業員と客とのいろんなエピソードが、同時進行で進むなかで、年越しのカウントダウンを無事に迎えるという設定。
とにかく楽しい。幸せな気分にさせてくれるのが、監督三谷幸喜の最大の魅力である。
俳優たちは、最近話題の舞台の主演者が勢ぞろい。蜷川演出「天保十二年のシェイクスピア」の唐沢寿明・篠原涼子、野田演出「贋作・罪と罰」の松たか子、三谷演出の「12人の優しい日本人」の浅野和之・生瀬勝久・伊藤正之・堀内敬子などなど。
舞台では篠原涼子の二役が、松たか子の悪女役を上回ったと思うが、この映画では松たか子の切れ味に軍配を上げたい。
映画で一番笑いが起こったのが、総支配人伊東四朗の顔の白塗りと、肌もあらわな演歌歌手西田敏行の自殺シーン。年長俳優が大活躍と、思ったが、今日はレディスデーの割引で、おばさんが多かったせいかな。

天保十二年のシェイクスピア

2006-02-06 23:03:08 | 演劇
今日の朝日の夕刊の記事。「ミュージカル」誌が選ぶミュージカルベストテンの特別賞に宇崎竜童が選ばれたとのこと。
 井上ひさし作・蜷川幸雄演出の、あの猥雑な「天保十二年のシェイクスピア」の芝居見たけど、音楽担当が宇崎竜童だったんだよね。
 「もしもシェイクスピアがいなかったら」は最初は変な歌と思ったけど、振り払っても振り払っても、いまだに頭で鳴り響いて離れないよ!このしつこさは確かに特別賞ものかも(笑)